「ちりとてちん」?
実は落語の演目です。三味線の音色から取られた“微妙な”食材(?)「ちりとてちん」。
噺家の目から見た“食”の話題を取り上げてもらいます。さて、どんな話が飛び出すのやら・・・

「年末年始は、飲んで、飲んで、飲まれて、飲んで、の一週間」

 清八でございます。

 あけましておめでとうさんでござります。
 新年になって、もう二週間、新年の挨拶でもないやろうと、お叱りを受けましたら、ごめんなさいです。落語国の世界では旧暦ですので、暦を見ていただいたらはっきりしますが、1月14日は旧暦では11月の30日なのですよ。去年は、晩秋に台風襲来で異常気象や、言うてましたが旧暦で考えますと、異常ではなかったんやそうです。年賀状のハガキは11月初旬に買うてあったんですが、何か、「笑えるネタ」は無いやろかと思案しているうちに12月27日となってしまい、ついつい「宛名職人」の画像を借用してしまいました。年明けにいただいた年賀状の中に素晴らしいネタがありましたので、無断で掲載してしまいます。毎年、年末に清水さんで、今年の漢字を書かれますな。まだ記憶に鮮明だと思いますが、「新」でした。さて、その前は、と思い出してみると「変」でした。もう、おわかりですね。二文字で「変新」となります。年明け早々、良いニュースも乏しいですから、仮面ライダーでも怪傑ライオン丸でも超人ハルクでも集めましてね、日本全国、テレビの画面でも、携帯の画面でも、新聞の一面でも「ヘン~シ~ン」と毎日続けたら、気分も一新するのではないでしょうか。昨年からの旧与党によるネガティブ・キャンペーンよりは、前向きな気持ちになれるのではないかと、真剣に考えてしまいました。今年は、こんな大層なマクラで申し訳なかったのですが、実は12月29日から1月3日は、宴会の日々でございました。

写真①

 29日は、会社が納会で久しぶりに早く終われたため、豊橋のフラスカティさんへ出かけました。定番のバーニャカウダとアクア・パッツァ目当てでしたが、鳩のパテが用意されていたため、イタリア赤ワインで堪能させていただきました。30日は自宅で韓国鍋料理でした。昨年10月、東京・赤坂見附の「古家庵」でいただけた「カムジャタン(じゃがいもと豚の背骨鍋)」の味が忘れられず、宅配サービスを探してみたところ、和歌山県田辺市にある韓国家庭料理「南島(ナミソン)」でクール宅急便をしているということがわかり、さっそく頼んだのですよ。調理済みで鍋に入れて煮込むだけという状態(写真①)、三人前クール便込みで3800円、28日着でしたが、30日に試食してみました。このお店の特徴は、エゴマとエゴマの葉が大量に入っていることです。そのため、非常に食べやすい味付けになっていました。本当は、この鍋には黒豆マッコリが合うのですが、急には入手できず、チャミスルFreshで酔っ払ってしまいました。31日は、自宅で、貰い物のスープを使った「塩ちゃんこ鍋」と、これも貰い物の「Bud Light(写真②)」、締めは「年越しそば」にしました。

写真②

 年が改まりまして、1日は出来合いの「おせち料理」には、やはり恵比寿ビールです。
2日は、昨年から予約してありました、「いっ木」さんで京の正月料理をいただきました。今回、2日と3日、二日間の限定料理ということで、たいへん楽しみでした。丹波の黒豆、鴨ロース肉の燻製、穴子、本鮪、猪鍋、トリュフ御飯、etc、この夜は日本酒コースで「初亀」「杉錦」「磯自慢」等、どれも一木さんの料理に合って、至福の時でした。この余韻を楽しみながら、翌3日は、拙宅での「新年わいわいワイン会」となりました。今回の目玉ワインは、船便で到着した中部イタリアの新酒「イル・ノヴェッロ(
写真③)」とシチリアの「イル・パッソ(写真④)」でした。新酒は、毎年期待を裏切らないサンジョベーゼ葡萄の果実味が楽しめるリーズナブルな新酒なのです。もう一本は、ネレッロ葡萄を畑で干し葡萄状に乾燥させ、凝縮した果汁を発酵槽に入れるという手間が結果となって現れている濃厚な赤です。今回の肴ですが、アメリカ産牛カルビのステーキ、石垣島沖の紋甲イカの刺身、浜名湖煮蛸の刺身、チーズ三種盛、牡蠣フライと正月早々、豪華な内容となりました。

写真③
写真④

 こうして、一週間連続の宴会の日々でしたが、宴会が続けられるのも、新型インフルエンザに感染しないのも健康なればこそ、感謝感謝で新年のスタートです。お年玉代わりに、この「ちりとてちん」のシリーズとして「落語のネタ帳・食べ物編」を続けておりますが、その4(Back Number20)でご紹介しました「正月丁稚」から和歌を再度。ご紹介させていただきます。以前、商家では、お元日の最初に井戸から汲む水を若水と言うて歌詠みをしましたな。「新玉の年立ち返るあしたには、若やぎ水を汲みそめにけり」橙をほりこんで「これは、お年玉でございます」。

2010.1.13


38年間、お付き合いしている長野市戸隠の森の喫茶店です。


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