2017.09.20 |
bollito di carne |
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イタリア修行中お店の賄やレストランで何度かこういった “ボリート”(言ってみればイタリア版ポトフであり、 おでん。かな?)香味野菜と一緒に2時間ほどコトコトと 煮込むだけの料理ですが、それに適した肉質の牛や仔牛の 部位で仕込んでやらないと、シンプルな料理なので テロっとした独特の茹で肉の風合いにはなりません。
ローマでRIS,Caccianiの休日に研修させてもらっていた もう一件のレストランで賄で出された仔牛バラ肉の 茹で肉“ボリート”茹で汁から引き揚げ、さくっと切り 分けお皿に盛り分け、塩、オリーヴ油、赤ワインヴィネガー を一振りしただけのお皿でしたが、その時食べた印象が いまだに残っているくらいです。
日本人は魚の食べ方は本当によく知っていると思います。 肉に関しては、やっぱ!イタリア人はよく知っている。
今回、前からずっと狙っていた仔牛の肉があったのですが、 コート(骨付きロース)、ショートロイン(骨なしロース)、 フィレは高すぎてちょっと手が出ませんでした。 今回まとまった予約があったので、骨付きバラを購入。 こういった値段が付く肉のバラなので調理のし甲斐があると 踏んで仕入れてみました。
営業ではローストにかけて大半をお出ししたのですが、 少し残しておいた分を茹で肉“ボリート”にしてみたらと 思っていたものを今回煮込んでみましたが、予想通り、 ムっちゃ旨し!です。
近年本当にいろんな食材が輸入、地元で生産されるよう になってきていて、家庭に根差した料理を再現できる 環境がかなり整っていることを改めて確認できました。 |
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2017.09.16 |
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騎馬戦 |
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宇利の戦い |
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今から17,18年前、長女の幼稚園から始まった学校行事の中で 我が家で一番大事にしてきた運動会も三女千春が6年生を迎え 今年が最終年になりました。当初自分も若く、お店の運営に 人もだいぶんと雇っていたので、お昼の営業を休むという 踏ん切りがつかない年が数年ありました。営業に間に合う ぎりぎりまで覗いて、ダッシュで出勤すると言うことを 暫く続けていました。その後、スタッフも一人消え、二人 辞めと、いつの間にか最小遂行人数になって青さんとうちら 夫婦になり、思い切って年に一度運動会の開催される土曜日を お昼休むことにしました。したがって、青さんも誘い 皆で観戦。と言うことも数年続きました。
その踏ん切った年と次の偶然二年に渡りお客様から同じような お言葉をいただきました。留守番電話に『子供の運動会参加の 為にお昼の運動会をお休みさせていただきます。』たぶん そんなニュアンスのメッセージを入れておいたと思います。
『私たちも、お子さんとそういったかかわりをされている 方のやっているお店とこれからもお付き合いしていきたいと 思います。』そのお言葉を伺い、それまでのちっちゃなことで 悩んでいたことが吹っ切れました。年に一回ですもん。 365日の半日って思うようにして。それに皆で観に行くと 子供たちも嬉しそうですし。
臨時営業はすることはあっても、臨時休業って実はほとんど 実行されてません。もちろん暇で早々に帰宅っていうのは ままありますが。
で、今回最後の運動会を一番楽しみにしているのは、じじ、ばば でしょう。特にばばは、自他ともに認める三人の育ての親。 もともと面倒見のいい人柄(家系でしょうか)なので、運動会 前夜は、煮物や唐揚げ、おにぎりからフルーツetc.もううちらが 帰宅すると台所のテーブルに明日朝起きたらすぐに調理できる ようにびっちびちにセッチングしてあって、二人で顔を見合わ 疲れも忘れるほのぼのとした風景でした。
ばば自分でも『来年からもうないと思うと寂しいねえ。』そんな ことを言っていました。ぼくらも残念。その手間暇ときたら 結構なことだと思いますが、逆にばばの気力体力が充実して いないとそんな手間はかけてられないってことになります。 これってばばの健康のバロメータッでもあったんだよねって。
で今回は台風一過と連休がうちらには好転して、火曜日に 振り返られました。今週日曜日が営業だったのでここで振り 替え(一日まるまるお休みに)ようということになり、 アフター運動会のほほえみさんで打ち上げビールも初めて経験。 ただ一つ、自分はお店に用事があったので閉会式の少し前に 会場を後にしてちゃっちゃっとお店の用事をやっつけてもう 一度小学校に取って返し、皆をピックアップしてから改めて 気持ちも新たにほほえみさんへ。もうこれで今日はゆっくり のんびりできます。
皆で17年お疲れさまと。楽しかったねって思い思いのものを 食べかつ飲みいい一日が過ごせました。
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2017.09.16 |
通学団リレー |
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やっぱり定番ぼうし取り |
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2017.09.05 |
ニューシネマ・パラダイス |
今週はイタリアづいています。
今日はローマ出身のイタリア人のお客様が来店されました。 それも近所の方。当時の修行先Roma(Centro)とfrascati のちょうど中間のエリアCiampinoそのあたりの方でした。 今うちの状況で例えて言うなら豊橋と新城。で、中間の和田辻 っていうイメージ。すいませんローカルな話です。
イタリアの方が来店されると、とても楽しみに思って 仕事に取り組めます。普段の仕事が通用しているのか。自分の 目指している料理の方向がぶれていないか・・・。
今回一番興味あったのが地元食材で仕立てている“西浦漁港 魚介の盛り合わせアンティパスト・ミスト・マーレ”をどんな 評価をいただけるかでした。
・西浦漁港魚介の盛り合わせアンティパスト・ミスト・マーレ ・サマートリュフのタリアッテッレ“ノルチア風” ・仔羊のロースト、じゃが芋のグラタン、カルチョーフィのラグー ・グラン・マニエ風味のクレーマ・カラメッラ、黒糖のジェラート ・CAFFE
で、お帰りの時に少しだけお話しさせていただいたときに言わ れた一言。Sapore(味・風味)、Profumo(香り)がとても 良かったと。イタリアを思い出す香りと風合いの料理をいただ けました。と。
Buono(Molto buono)やOttimoって言われることより何より 嬉しい言葉。
普段自分がだだ美味しいと思うものをつっているわけではなく、 当時経験したことを経て、取り込んでおいていったん落ち着 かせ、今の自分の技術で当時の匂いや風合い、それこそSapore とPurofumoです。をこの土地の食材を使って再構築どう やったらできるかって、そればっかり考えているから。
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それともう一つ嬉しいことは、近しい友人が先週からローマへ 旅立ちました。その話を聞いた時から自分のローマへの慕情が ふつふつと芽生えてきました。
今朝出勤途中聴いてきたNHKFM音楽遊覧飛行映画音楽ワールド ツアーで(紺野美沙子さんナビゲート)で、ちょうどニューシ ネマ・パラダイス、エンリコモリコーネ作曲のテーマ曲が流れて 来ていて、もう気持ちはめらめらとさらにローマへの慕情が 膨らんできました。
若いころに観た“Nuovo Cinema PARADISO"【ニューシネマ・ パラダイス】です。 |
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当時イタリアに渡ったころ、イタリア語の勉強もかねてよく 映画館に足を運んでいました。初めのころはランダムにいろ んな、ジャンル問わず観まくっていましたが、シリアスな作品は 2時間座っていても二言三言しか分からない語学力の頃は座って いるのが辛くて、とはいえ少ないお小遣いで来ているので、 もったいなくって途中で席を立つってできませんでした。それと その頃のイタリア映画の傾向としてB級コメディーの様な傾向が 強かったイメージがありそういった傾向の映画があまり好きでは なくそういった事情で、途中からイタリアに居ながらイタリア の映画に足を向けなくなっていました。
当時勢いのがあり、良くも悪くもわかりやすいハリウッド映画 をほんとによく観に行きました。
そんな頃、この“ニューシネマ・パラダイス”がロングラン 放映されていて、休みで街を歩いて映画館の前を通るたびによく 上映されている映画館に出くわしていました。
その晩もローマのCampo di fioriと言う下町(以前ゲットー というユダヤ人街になっていた地区で、今でもこの地域では ユダヤ風○○という名の付く料理がいくつもその名残を 残しています。)広場の片隅にそれこそPARADISO映画館の様な 佇まいの映画館で上映されていたこの“Nuovo cinema PARADISO”を当時、時間を持て余していて時間つぶしのつもり で偶然映画館に立ち寄りました。その時久しぶりのイタリア 映画だったことを記憶しています。
観始めて吃驚です。途中から映画の世界にぐいぐいと引き込まれて ゆきました。
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あれから30年という時が経ち、いろいろなことを経験して その後も何度も、何度もことあるごとにこの映画に触れて きました。いつの頃からかこの映画の見え方の変化に気付き ました。
それは、映画の終盤アルフレッドの葬式に何十年かぶりに 里帰りしたトトが葬列に居並ぶ往年の村人たちの哀愁を帯びた 風貌を映し出す場面を見るたびに例えば10年後、自分が60歳ころ この映画のトトとほぼ同じ年齢に差し掛かったころに、もし FRASCATIやMALEO村を再訪できたとすると。何十年かぶりに 当時見たことがあるバールの主人やパティスリーのおやじ。 酒場のお客etc.に偶然とはいえ出会ったとしたらどんな感慨 に浸るんだろうと。二十歳のころ過ごしていた村の風景や人々が 60歳を迎えた自分にどんな風に映るのかと。映画の久しぶりに 里帰りしたトトと同じ目線で見てしまっている自分がいつしか いました。
セッペ・トルナトーレ監督の生まれ故郷を愛する気持ちと、 映画を愛する気持ちがひしひしと伝わってきます。 最後に印象に残る一場面。アルフレッドが失恋して煮え切らない これからの行く末に悩むトトに村を離れるように告げる場面。
A「村を出ろ。ここは邪悪の地だ。ここにいると自分が世界の 中心だと感じる。何もかも不変だと感じる。だが、ここを出て 2年もすると何もかも変わっている。頼りの糸が切れる。会いたい 人もいなくなってしまう。一度村を出たら、長い年月、帰るな。 年月を経て帰郷すれば友達やーなつかしい土地に再会できる 今のお前には無理だ。お前は私より盲目だ。」
T「だれの台詞?」
A「だれの台詞でもない。私の言葉だ。人生はお前が見た映画 とは違う。人生は、もっと困難なものだ。行け。ローマに戻れ。 お前は若い。前途洋々だ。私は年寄りだ。もうお前とは話さない。 お前の噂を聞きたい。・・・。」
そして駅での別れのシーンでも。 A「帰ってくるな。私たちを忘れろ。手紙も書くな。郷愁に惑わ されるな。すべて忘れろ。我慢できずに帰ってきても、私の家には 迎えてやらない。分かったか。」
T「ありがとう。世話をかけたね。」
A「自分のすることを愛せ。子供の時、映写室を愛したように。」
そしてトトはシチリアを後にします。
「あの頃はきづかなかったけど。あとになって気づいた。」
この映画のラストシーン、アルフレッドの形見のフィルムを観る シーンに誘われてゆきます。
10何年か後に、夫婦で。出来うることなら家族でそんな語らいを しながらイタリアを旅してみたいものです。
この映画で使われている古いフィルムの一場面。 Silvana Manganoの“EL NEGRO ZNMBONと言うことが最近 ラジオから流れて来て聴いていてすごく嬉しかったこと。 これは余談。
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