日々イタリア料理を通して発見や驚きを実感する今日この頃。
イタリア料理の原書【LE RICETTE REGIONALI ITALIANE】やその他の資料、 時よりチェックする彼の地のRicettaは本当にシンプルで、例えば牛肉 の煮込みにしても、carne di manzo,cipolla,carote,seano,aglio, salsa di pomodoro,vino rosso,・・・eccetera・ どの地方のRicettaも似通った材料なのですが、食べてみるとその土地ならでは の牛肉の煮込みになっています。
例えば、赤ワイン一つとってもトスカーナとロンバルディアでは 煮上がった時の風合いがまったく違うことは簡単に想像できますし、 ミルポワに使う玉葱、人参、セロリにしてもあらためて言及する までもありません。
そういった一つづつの構成要素を一度因数分解してみて、一度再構築 してみてその際足りなかった香りや、肉の風合い、特に魚であれば 日本人が好む魚介類の火入れや取り合わせなどの解釈を踏んでいき、 イタリア人と日本人(豊橋)の間に共通する味覚の部分に訴えかける 箇所を見つけてブラッシュ・アップさせたRicettaをはめ込んでいくこと。 それが僕らの仕事。
イタリアの各地に伝わる素朴な伝統料理には、その土地の料理法が 持つニュアンスを、行ったことや食べたことがなくても、いろいろな 資料や友人の話などで理解して、自分なりの解釈を持ち、それを以って、 日本で手に入る食材でどのようにそれを再現できるかとイメージして いきます。現在の日本の家畜や野菜の生産者の方の意識の高い人が 多くいらっしゃいますし、海産物の豊富さと扱いの良さは世界一だと 思います。それを生かせれて初めて日本でのイタリア料理のあり方だと思います。
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