2017.11.26
料理講習会
料理講習会も5年目に突入。三ヶ月に二回のペースで続けて
きました。ただ料理を作ってしゃん。しゃん。にはしたく
なくって。今日溢れる情報の中であえて自分がやる料理講習会
っていうのであれば何か理由付けがあった方がいいと。
初期の頃は常々思っていたのですが回を重ねて、来てくれて
いるお客様との対話の中で教えられることが多く、そひとつが、
皆さんとても食に対して誠実に向き合われていることを
感じてくるようになっていました。自分がそこに掛ける内容
はそれにふさわしいもの。であるようにって感じ、今まで自分が
出会った素敵な人との出会いから、現地で味わった楽しい
ひと時の思い出や、彼の地の風が吹くような。思いの
こもったレシピをこの会には掛け続けようと思うように
いつしかなっていました。

言うのは簡単ですが、美味しく。楽しく。思い出も織り込んで。
1時間ほどで3品!自分でもよくネタが出るなあと思います。


でもでも毎回産みの苦しみマックス!今回も。


でも終わってみて、今回のは自分でもなかなかまとまったなあと。


“仔牛のボリート”ひと鍋つくって派生させて3皿。理にかなって
いい流れが出来ました。


・仔牛の茹で肉の冷製、ツナソース
・トルテッリ・イン・ブロード(もちろんボリートを作った時に出るソープ)
・美味しい冬野菜と仔牛のボリート、パンを使ったサルサヴェルデ

我ながら会心の出来だったと思います。

2017.11.20
短角牛を焼いてます。
レアーに焼き上げ白トリュフをすりおろします。
自慢のドルチェです。


秋冬バージョンになっています。


マルサラ風味のレーズンのジェラートにヘーゼルナッツの
タルトを添えて。

定番のサビオーサ

新城栗のカタラーナ、栗のはちみつ風味

2017.11.20
今日は月曜から濃い仕事
釣り2sのクエ。


こんなの買うの久しぶりです。
こんな身。
フレッシュのポルチー二茸。今年は豊作!


ずっとコンディション良く、気持ちよく使えましたが、
もうそろそろ終わりです。

でもちょっとづつ瓶詰めにしてストックしておいてあるので年内はストックあります。

2017.11.20
老舗の品格
イタリアに渡ってとても身近に感じたののひとつがワインです。
今でこそイタリアでも地ビールブームとか風の便りで聞きますが、
当時はワインと言えば、よく言われる水より安い。まそこまで
ないにしても自分の住んでいたフラスカティはワインの酒蔵が
点在する村だったので村の人たちはボトリングした一般的な
ワインは通常飲んでいなく、各家の行きつけの酒蔵へ空瓶を
携えて行き1ℓ2000リラ(約300円)と言うワインを生活の中では
楽しんでいました。


そういった環境の中で、日本から携えて行った当時のワイン教本
の中の一節で、“偉大なワイン”と言う一節を見て、それって
どんなワインだろう?と、時間があるとワイン屋さんに通いに
通って高級なものから弊価なワイン、勿論高いものはたまにしか
買えませんでしたが。




すいません途中です。

2017.11.17
中華そば


イタリアに住んでいたころ、何が食べたかったかと言うと
@秋になるとサンマの塩焼きに大根おろしをたっぷりと添え
たもの。A日本に帰ったら一番に居酒屋に行って焼き鳥と
どて煮と、あれやこれやと。よく仲間と妄想しました。
Bそれから、どっかに食事に行ってその帰り、お腹は満たされ
ているはずなのに、ワイン(お酒)が入ると何でしょうか?
〆のラーメン食いたいねーなんて言いながら寮に帰って
いったものでした。



あと帰国して半田時代25年ほど昔。
半田JR駅近くに菊野屋って老舗の、小さな食堂の様な風情をした
ラーメン屋さんがありました。

ここ美味しいから行ってごらんよって、教えられて行ってみて
ビックリするくらい美味しくって、自分の口にあったんでしょう。
初回の一杯でハートを撃ち抜かれました。

残念なことに数回行ったころにご主人が高齢だったために
ほどなくお店は廃業してしまいました。そこの中華そば
(チャーシュー麺)いまだに夢に出ますもん。意識のどっかで
恋焦がれてるんでしょうね。
こちらに来た頃は若かったと言うこともあってか、毎日違う
ラーメン屋さんをはしごしていた時代もありました。
そんなラーメン屋さん、深夜の中華屋さんも高齢で廃業した
ところが3件。こちらもラーメン(深夜の夕食になるのですが)
をただ食べに行ってるんじゃあなくて、オープンして間もなく
のこともありストレス発散や、少しでも地元の知り合いを
つくろうであったり、向こうも通ううちに打ち解けて、
異種同業と言うこともあり帰り道にホッとできる止まり木
のような場所になっていきました。そんな場所が時代とともに
高齢と言うことで廃業していってしまい、だんだん寄る
お店がなくなっていったことが一つあり、それに今は自分も
年なんでしょうか。早く家に帰ってゆっくり家で飲みたい
と思うようになり、下手すると子供も起きていたりすると、
娘に焼酎のソーダ割りなんか作ってもらえたりするんで、
今ではそっちのが楽しく、リラックスできるようになって
います。やっぱ年ですね。


ここ豊橋でも20年ほど前には深夜の中華屋さんや深夜営業の
餃子とラーメンのお店なんかがぽつぽつとはあったのですが、
今はチェーン店ばかりが目立つようになってしまいました。


先日友人のタカちゃんたちと話していて話題に上がったのが、
豊橋(東三河も範疇に見渡して)NHK朝の連ドラ“ひよっこ”
のすずふり亭の料理が美味しそうだ!この地でも古き良き
昭和の味を残すお店、もう数年後には消えていくだろう個人店
を発掘しようではないか!と言うことで盛り上がり、情報交換
をしました。

そこで聞いた情報。うちの店のご近所のうどん屋の中華そば
が絶品!と言うことで早速由貴さんと賄代わりに出かけてみました。


昔だれかに聞いた話で。うどん屋の中華そばって和風のだしを
しっかり引いて作っているから、これが結構美味しかったりする
お店があるよ。って。


そこのは、うどん屋さんなのにしっかり豚骨の澄んだスープで
子供の頃の夜泣きソバを彷彿とされるなつかしい味!
お初だったのでお店のご主人の年齢は聞けなかったのですが、
お店始めて50年だとか60年だとかってことだったので、そりゃあ
当時の半田の夜泣きソバと豊橋では距離は離れていますが、
物のない時代のまあ。同じ愛知県の中なので、その当時の
中華そばって言えばこういうもんだ。と言うことなんでしょう。
どちらにしても向こう側に人が見える料理って言うことには
違いありません。

2017.11.17
続中華そば
やっちまった話。


これを書いていて思い出した昔話。

それこそお店を始めた頃20年弱前。当時半田から引っ越して
来て、長女(初孫)可愛さに半田のおやじとお袋(半田じいちゃん
・ばあちゃん)も腰が軽く、月に一度のペースで朝お店に
奈津美を連れて来て引き渡し、おやじとお袋が一日孫を連れて
遊んで夕方には半田の実家に連れて帰ってくれて休んでいる。
こちらも、仕事が終わるとその足で半田に向かう。という
ことをしている時期がありました。。
豊橋経由蒲郡街道ー西尾ー碧南ー海底トンネルを渡り半田。
というルートをとっていたのですが、今でもでしょうが
深夜12時前後となるともう何処も食事をとるお店はやって
いなく、とはいえ半田に入ってしまうともうどこかに寄る
というより一刻も早く家に行ってしまおうという気分に
なってしまって、結局お腹を空かしたまま早々に寝てしまう。
ということもあって、一週間頑張ってほっと一息の休み前の
夜くらいちょっと一息入れたいものだといつも思っていました。


そんな中、気になるお店(ラーメン屋さん)がありました。
が。そんな深夜の時間で、いつもそんなにお客さんが入って
いる気配がありませんでした。個人店の深夜営業のラーメン屋
さん。で、何時通ってもそんなに流行っている気配がない。
それってかなり入るのに勇気がいるものです。ただポジティブな
見方をすると、一年近くそこを通っていてお店が維持されている
んだからお昼や夜の早い時間にはそれなりにやっているんだろうと。


そうこうして、やり過ごして1年ほどしたある日、さすがに
結構お腹が空いていて、ちょっと冒険心も旺盛な日が訪れました。
その日車に乗ってから由貴さんに「ねえ。ねえ。今日あそこの
ラーメン屋さん行ってみない?」「・・・。えー。あそこ。」
「じゃあさあ。俺が。先に入ってみて、もしやばそうだったら
道を尋ねるふりですぐ出てくるから2ー3分様子を見てから入って
きなよ。」「…。じゃあ。分かった。」と。打ち合わせをして、
満を持して店内へ。


入った瞬間に、あ!やめとこっていう直感が。その瞬間、
(入口のすぐ右、入ってすぐのところにカウチが置いてあり、
漫画の本棚がありました。)そのカウチに店主とおぼしき
おじさんが寝っ転がり漫画を読んでいまして。営業中にです。
暇な夜の時間帯、百歩譲ってマンガ読むのはよいとしても、
入口入ってすぐのカウチでそれも寝っ転がってっていう
シチュエーションは想定外!


【竜馬が行く㈥/武術の気合と言うのは、蛇が蛙にのぞむような
一種動物的な感作で、一種、相手は催眠状態になる。そこを、
蛇ならば襲い、武術なら撃つ。。】そんな状態。その為、あっけ
にとられた自分の頭はフリーズ状態に。

で、そのおじさん。さっと何事もなかったように立ち上がり
「さあどうそ。」本当に催眠術に掛けられたようについて
行ってしまいました。誘われるままカウンターにつきその瞬間
催眠状態が解け、我に返った時には事すでに遅く、由貴さんが
ニコニコしながら入ってきました。違う!違う!とひきつった
顔でカウンター越しの店主さんに気付かれない様にサインを送り
ました。由貴さんのちょっと恐怖を浮かべた眼差しと、急に
きょろきょろと店内を観察・・・・。
もうこうなってしまったので何か注文し手早くこの場を早々に
出ようと気持ちを切り替えました。


ま。自分はいつものことのようにビールと。さすがにギョーウザ
は控ええようと。ま。ダメもとでチャーシュー麺。由貴さんは
ラーメン。注文したビールと一緒に出てきたのがサービスの
“塩辛”ま。既製品だろうからよっぽどのことはない。と踏んで
箸を着けました。由貴さんに「どお?」って促すと、カウンター
越しに見えないように首を振ります。目で「いいじゃない。たぶん
既製品だよ。」向こうも無言。目で「既製品だろうが生でしょう。」
そんなアイコンタクトをいくらかするうちにラーメンが出来上がり
もう、そんなんだから味もまあ…。
早々にやっつけてお店を後に。


その後しばらくしてその道を帰っていといると、いつの間にか閉店
していました。


今思うとあれはなんだっとのかと。


ま。ある意味いい経験でした。

2017.11.04
“ピンツィモーニオ”にホロホロ鳥と兎の型押しを添えて

リードボーと仔牛の白ワイン風味

2017.11.03
山鳩
長くやるもんだなあ。っていつも思うことは、オープンした
20年前では考えられなかったような、食材の進化、それに伴う
ように料理がいろんなブームと言う形のアプローチをとり
一般的に浸透してきたことがあると思います。
自分も長年にわたりいろいろ勉強し、数をこなし経験を
積んで馴染みやすい切り口のジビエ料理を模索してきました。
それに並行してお客様の偏見もかなり緩和してきている
実感があります。



この山鳩もぽこぽこ出るわけではありませんが、山鶉と
合わせてジビエの期間中20羽くらい出るでしょうか。

最近開き直れて特徴ある料理に特化してきているので、
好きな人にフィットする料理がどれかはまればいいと。
こういうの食べたかった。っていう個性的なうちらしい
仕事をしていこうと。そこは由貴さんが客観的にアドバイス
してくれているので、自分は思い切ってひとつづつ
自分らしい料理をしていくだけになってきています。


毎年この時期になるとこういったジビエを使った料理を楽しみ
にしてくださっている方がいらっしゃることは励みになります。

2017.11.02
久しぶりの西浦漁港
ここのところの台風二発で海上はほぼ常に時化ていて、沖合に
漁に出れてないと踏んで2週間西浦には行きませんでした。


そのころ豊漁でかなり仕込み、ストックが出来ていたので、
ちょうどいい具合に回っていました。さすがにストックが底を
つき始めたのと、今週初めから天気が回復してきていたので、
久しぶりの早起きです。


猟師さんたちもここのところのうっ憤を晴らすように市場も
活気づいていて、お客さんも平日の早朝と言うのに盛況です。
自分の目的のからし海老とガス海老を買い込み早々に喧騒から
離脱しました。

で、ちょっと来なくて空くだけで、日の出もびっくりするくらい
後退していました。
これが朝6時ちょい過ぎ、東三河と取り囲む峰々がちょうどいい
感じに朝焼けしてます。


写真より実物は、むっちゃ綺麗。帰りなのでちょうど朝焼けに
向かって走っているのでなおさらです。
正木さんの紫ほうれん草を美味しく食べてもらおうと久しぶりに
”お魚とグレープフルールのマリネ、紫ほうれん草を添えて”です。


やっぱりお魚のマリネって、特にグレープフルーツとか紫ほうれん
草ってつくと響きがいいのかよく出ます。

2017.11.01
sabbiosa
早いものでもうこんな季節になってきています。

思い出深いドルチェ“サビオーサ”。30年前に出会ったこの
ドルチェ。いつもこの話になるとおんなじことを書いていると
思いますが、『こんなドルチェを出している、そんな感性を
持った現場で修業する時間を過ごせるだけでいい。』って
思って長年住み慣れたローマ、フラスカティそれにお世話に
なっていた綿貫画伯夫妻やローマのSignora藪本、佐々木さん
イタリア人の友人たちからあえて離れたところに身を置くと
決心しました。


RIS,Caccianiとは違った意味で地方で、その土地に根差しながら
自分たちの理念を持ちレストランを営むと言う概念を今思えば
この場所で体感していて、当時はそこまで経験もなかったですし、
自分の店を持ち自分の立っている土地にもオープン当初はそこ
まで踏み込んで考えていなかったりと。その後もいろいろ寄り
道をし、失敗もして。経験を積み今は、そっか。そういうこと
だったのか!って言えるくらいには成長してきて。今だから
こそ、素敵な出会いだったんだよなって改めて実感できました。

由貴さんも一緒に彼の地で過ごすこともできて、彼女にとっては
唯一イタリアの思い出と実感が伴う土地になっているようです。
二人のよりどころの場所RIS,ALBERGO DEL SOLE(MALEO)。


そういえばある意味、ちょうど昨日がうちら夫婦の24年の
結婚記念日!早いものです。


何にも分からず。根拠なき自信。あったのは若さだけ。
あれから24年です。びっくり。



で。急に涼しくなってきたのでドルチェも衣替えで、今日から。
初オーダーで、うちらもご相伴にで、ちょっと味見用に一切れ
半年ぶりに食べてみてやっぱうまい。旨しです。

一口食べて、ぱっと当時の情景が浮かんで意識は一瞬のうちに
マレオ村に飛んでいきました。


料理人としてただ『美味しいでしょっ』て言うんではなく、
思いのこもったこういったお皿をもっていられるって幸せな
ことだと思います。

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