日本の食文化の中に大きな一区画を成す“鰻”と言う ジャンルだからこそ、以前から何かオリジナリティー のある自分らしい鰻料理をイタリア料理で表現してみたい と思い続けて早何年を要したでしょう。(納得できる 料理が出来るのなら何年かかっても好いです。)
自分も大好きな鰻。白焼き、ひつまぶし、鰻丼 (個人的には重よりも丼のほうが好みなので)と 並ばせれる料理に仕立てることが出来たら・・・。
15年ほど前、築地の傍にクラブ・ニクスと言うレストラン があり当時五十嵐シェフ、現マノアール・ダスティン オーナーシェフが腕を振るっていた頃,ひょんなきっかけで このレストランを知り、付き合い始めたばかりだった彼女(現奥さん) と食事に出かけました。怪しい倉庫の立ち並ぶ薄暗い一角に ぽつんと小さなメニュー台を照らすランプだけのエントランス を入るとまるで美輪明宏さん演出の“黒蜥蜴”のセットの様な 内装で初めは正直怯みました。しかしここで人生を変える料理 に出会いました。“鰻のファルシ カレー風味”と“牛尾 の赤ワイン煮”それにGevrey-Chambertinでした。あまりにも 感激してしまい、お金を貯めて3ヶ月後に同じ料理を食べに 行ったほどでした。で、憧れであり目標でもある五十嵐シェフの “鰻料理”にどれだけ近づけたのでしょうか?
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