”穴熊のシヴェ風ラグーを添えたサフランのリソット”
リソットは一年を通して一度か二度オーダーが入るだけ(メニューに載せていません)以前は積極的に載せていましたがあまりにも出ないのと、一人ですべてを調理しているのと、リソットは気が抜ける瞬間がなく付きっきりの調理になるので無理して出ないメニューを推さ無くてもいいのではと、ある時からメニューから外しました。
とは言え美味しい料理!出せるチャンスは逃しません。・・・ちょうど、小麦アレルギーのご予約に合わせてほんと!久しぶりにこの料理を調理、お出ししました。
オリジナルの郷土料理をこの土地で再現できるものはなるべく忠実に再現しているつもりですが。そのままで提供しにくい料理って結構あってですね。
この料理の原型は”Ossobuco alla milanese” 骨付き仔牛すね肉のトマト煮(トマトが入らない地域や考え方もあるようです)なんですが、うちでは煮込み料理が今まで何度もチャレンジしてきましたがほぼ出ません。ですからもともとあまり自分はなじみのない郷土料理ではあったのでほとんど作ったことがありません。
このmilaneseの箇所は『サフランのリソットを添えています』って言う意味なのですが、そもそもサフランとかリソットってなじみがないのでサフランのリソットとしてうちの店では成り立ちません。とは言えミラノの近くに住み(MALEO村)この地域ではパスタ以上にお米になじみなある食性を持った地域でした。せっかく暫く夫婦で働かせていただいたこの土地の恵みをうちの店にも反映できないかと思い、なのである時思いついたのが、今回穴熊の煮込みですがそれ以外の食材だと猪の同じくシヴェ風とか、短角牛のペポーソ(黒コショウを利かせたうちでは短角牛ですが牛肉を赤ワインとトマトで煮込んだToscana州の郷土料理)などのパスタのソースを転用して作ってそれをOssobucoの様にサフランのリソットに取り合わせてたらいかがなもんじゃろか?って感じの発想から構成を作っていきました。
我ながらこのアレンジはよく思いついたと思っています。(自画自賛)
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