確か遠山さんが言っていたと思うのですが、お米作りって日本人の食の根幹にあるものだから百姓としてやっぱ、効率と言うか採算を度返ししてでもそこは押さえていないといけないものなんだ。と。
実際三度にわたりお米作りにかかわらさせていただきましたが、正直大変な作業です。お百姓さんの手間暇には頭が下がります。特に無農薬!機械化も最低限の人力頼み。今はやらなくなってきている“はざかけ”までもしっかり米作りを全うするやり方。でもこれが楽しんだな。楽ってことはないんです。しんどいけどやっぱ。それこそ日本人の食の根幹に携わらしてもらっているっていう充実感ですかね。それに何よりも遠山さんのお米ってやっぱすっんごく美味しいし。
こんなこと言っちゃああれかもしれませんが、一生に一度でもこういった作業を経験しとくと食べ物のありがたさを実感できると思います。今の日本の自給率40%ちょいなのにこれだけスーパーやコンビニに溢れる食品。ホテルや宴会場巷のレストランや居酒屋で廃棄されている食品の多さ。なんか逆行している。
これも言わずもがななことかもしれませんが先日も書きましたが、うちの店ではほとんど戻ってくるお皿に料理は残ってきません。残飯ほぼゼロ。ごみは仕込みの時に出るものだけ。と言う日常を当たり前のこととして過ごしていて、長女が手伝いに来てくれた時に(彼女は当時飲食チェーンでバイトをしていました)こんなにごみ出ないんだ!・・・え?普通じゃないの?こういうのって。うちのバイト先食べ放題だからかもしれんけど食べないのに注文するみたいで結構残飯多いよ。って聞いてまあわからんでもないかって。そういう所って飲食・サーヴィス業って体をした流通業で効率重視。そういう所に行くお客さんもしかり。しょうないっしょ。
逆にうちの考え方は自分が食べたくないものは使わない。から始まってキロメートリ”0” 地元の顔のわかる食材を極力ベースに置く。魚。肉。オリーブオイルなどの最低限の調味料もAとBがあればAを買う。昔はそんなイタリアン(洋食)ないから(今でも地方じゃないと思っていますが)額面だけで高いって言われ続けましたが・・・。とは言え。潰れずにやってこれたのも支持してくださるお客様がいたからこそ。食べることに対して真摯でいられる人たち、それを支えてくれる生産者の方々・良質な食材をインポートしてくれるインポーターさんがいたからこそ。そこを介在して僕ら料理人はちょっとした魔法とまではいかないまでも調理を施してあげればいいんです。し過ぎないように。そこの加減だけわかっていれば。
でも、こういう体験をするや作ってくださる生産者と関わることで食材とお客様との間に居ることを実感でき、そこでの距離感が養われてきたような気がします。
そんなことを改めて考え直されながら作業は続きます。
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