その当時気に入って何度か勉強に通った、例えば中野にあったビストロ・ニース食堂であるとか、世田谷通りにあったレストラン白鳥で提供していた料理も本当に美味しく、どちらも小さなお店で少人数精鋭でそれでいてちゃんと手間をかける所はかけていて気持ちよく食事が出来ました。将来自分んもフレンチとイタリアン、ジャンルは違いますがこういったお店を自分も将来もちたいと思うような心地よさがありました。そこで出色していたのがデセール(ドルチェ)当時はやっていたのがクレームブリュレ、ブランマンジェ、洋ナシやプラムのコンポート、ガトーショコラでした。小さな少人数の厨房で料理だけではなく自家製パンや食後の菓子もすべて自家製っていうスタイルはこの時いいなあ。って改めて思いました。
設備がない中で効率よく、でもしっかりとしたレストランならではの菓子を提供する。定番をちゃんと抑えるっていう時代の良さを今になってつくづく思いますし自分にあっている。
今こんなに何でも情報やら食材やら溢れる時代になり、こういった時代だからこそ定番を!ってつくづく思います。もちろんうちは自分一人で一切合調理は切きりもりしなくちゃあいけないので、手間をかける時間、力配分の見極めをよりタイトにしなくちゃあいけません。でも一人だからこんだけです。って言い訳も嫌な性分。・・・じゃあどうするかってなるんですが、毎日触れる中でやっぱりシンプルな定番が作っていても飽きないんですね。じゃあ、定番をどうするかってことになるんですが、もうあとはいかに自分らしくチョイスすることと、ブラッシュアップする。じゃあないかと思うようになってきたわけです。
今回のガトーショコラでもお客様から言われた言葉『ガトーショコラか。ガトーショコラってハズレもないけど当りもないよね。』由貴さん『これ。当たりですけど』・・・。
幸運なことに今まで出会った料理やドルチェ30年前に出会ってるんですが全く古びないんですね。定番それもちゃんとしたレシピって時代を超越してるんだ。って。長年現場に立ち続けてからこそ見えるものを感じています。
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