先週のTBS情熱大陸で東京中央区の“寿司すぎた”さんが取り上げられていました。知らないお店でしたが、番組ののっけから「寿司に人生掛けているのでTVのパーツにされるのであればうちは取り上げてもらわなくて結構です。」と言われるだけの仕事をTV画面の端々に感じれる仕事ぶりに感銘を覚えました。
ある意味、そこまで上り詰められた人なら当たり前なのかもしれません。自分が番組途中から目に留まったのはそこに修行に来ているスタッフの引き締まった顔付きと真剣な眼差しでした。この業界開業しての10年の生存率ってほんと低いんですが、20歳代にちゃんとした修業の時間を取って、それもあんな真摯に自分の仕事とお客さんそしてスタッフ、勿論仕入れ先の業者の方々に対しても。って言う親方の背中を見ながら数年間を過ごすことが出来れば、それは宝物のようなその若者にとっての財産になると思いますし、将来お店を持った時、いかなることが起きても乗り越える原動力になると思います。もし何かの理由で違った道に行ったとしても、乗り越えて行けるでしょう。
もちろん光と影。コントラストの強い分そこでの生存競争であったり自分の葛藤やプレッシャーのはざまで最初の志が揺らぐのは当たり前でしょうし。その中で何とかバランスを保ちながら這うように一歩ずつ日々を過ごす。そんなことができるのも20歳代だけです。自分も東京修業時代ACQUA PAZZA時代毎日のように辞めたいと思っていましたし、勢いのある有名店には全国から血気盛で才能のあるスタッフが集まってきます。その中で日々立ち続けるのってほんとにエネルギーがいりますし自分を持ち続けるって大変だ。って突き付けられもしました。久しぶりにこのTVを見てそんな修業時代のヒリヒリした感情を思い出しました。頑張れ!って。
今は日々の重圧の中で苦労やしんどさの方が勝ってしまっていて、喜びって感じれないかもしれませんが時間が経つと、あ。そういうことだったのか。って思えるようになることもあります。若い時にヒリヒリした時間を過ごした人ってその後の人生に絶対後から利いてくるものを持っていると信じています。
先日ご近所の正木さんの農場に野菜をいただきに行き、ちょうど20歳代の修行の話になりました。お互い、その修業の時間はかけがえのない時間だったけれど、もうあの頃には戻りたくないよね。って同感し合いました。
いつも思っていることがあります。『目の前の人参には手を出すな』って。そんな簡単に実のある実りには手が届かないぞって自分に戒めを込めて。
小田和正さんの”TIME CAN WAIT”って楽曲、時は待ってくれないの逆説で、夢を追いかけてる人のために待ってる。って言う話を聞きました。努力がすべて報われるわけではありませんが、諦めなければいつかは手が届くと思っていますし、それを信じて過ごしているつもりです。
何はともあれ今踏ん張っときなさい。頑張れ!です。
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