2020.11.26
イカと柿、ルッコラのマリネ

2020.11.16
〇✕△

ラジオが好きでずっと親しんできましたが3月末からのこのコロナ禍にあって、少しアプローチは違いますが更に身近に寄り添ってくれています。

特に自粛要請やロックダウンが相次いで、この先どうなるか不安だった4月5月はラジオから流れてくる誠実な言葉にほんと支えられました。

4月から始まったNHKラジオの番組”高橋源一郎の飛ぶ教室”はその中の一つで、NHKの聞き逃し配信を使って週に何回も繰り返し聞き直すほど自分のビタミンになっています。

こんな時代にあって、その番組を聴き続けていく中で特に印象に残っていることは、「本とか文学とかは直接の役には立たないように見えていても、読書体験によって脳の抽象度を上げて日々起こることに対して考えて適切に対処できる対応力を養うことができる」と言ったような内容を話されていて、4月当時の不安定な精神状態の時にほんと心の支えになったことを強く印象に残っています。

今週の放送で話されていたこともまた素敵な内容でした。

源一郎さんが関わられた文学賞の選考についてのお話が、これってさらっと話されていましたが、今の時代に必要なことで、もっと浸透するといいなって思える内容でした。

文学の選考・・・・・『何かを選ぶことは難しいこと』と前置きがあり。

〇・・・受賞に値するもの。素晴らしい。 1点

✕・・・受賞に値しない。分からない。 0点

△・・・それほどでもないが、考慮すべきもの。悪くない。 0,5点

印も合計点も参考にしかしないそうです、そもそも文学を得点で換算することが不可能だと選考委員の作家たちは知っているから。だそうで、

△悪くないもの。より→✕分からない。方の可能性があることを知っているから。・・・『こんなふうに読めるのか』と、選考委員同士のディスカッションによって変わっていく。

選んでいくのではなく、選ばさせていただく。

四角四面の世の中にちょっと風穴を開けてるれるような言葉だとおもいます。

ただ、ちょっとだけ書き足すと、職種は違えど自分も物を創る人のはしくれとして、昔と違ってレストランや飲食店は入ってきやすい業種になりました。でもそこが落とし穴で、誰でも出来る分生き残っていくことが難しい。入口は広いけど・・・ってやつです。半年一年は話題性で行けるんですが3年5年・・・10年、20年となると様子が違ってきます。毎日コンスタントにいい時も悪い時もコンディションをキープできるかです。

ある経営者は、調子いい時はイケイケどんどんでしたが多店舗でつまずき捨て台詞を言い去っていきました。いい時は誰でも出来ます。いかに悪い時にやり過ごせるかです。そこに人間性が出ると思います。でも、晴れた日もあり雨の日もあるからこそいい店が出来ると思います。木の年輪と一緒!

人は見ています。そこにその店の味が出ると思います。店の中にそれらの人達の気みたいなものが漂っていい店になると思っています。そうなりたいといつも願っています。

自分は駆け出しの若いころ言ってみればよくて△であり、✕でした。いつも怒られていて仕事も遅いし、性格もとがっていて自分でもどうしたものかと思って過ごしていました。

でも当時の先輩や知り合った今もお付き合いしてくださっている方々は、自分のことを✕や△だとしても”値しない”と言う見方ではなく”分からない””悪くない”と言う見方をしてくれていたのかなぁ。と今になって思います。ありがたいことです。時間が立たないと分からないことって多いですが、〇✕△をそう読み解ける人になれたらと今更ながら気づかされました。

長くなりついでにもう一つ。同じ”高橋源一郎の飛ぶ教室”より、『変わり者って1000人に一人なんだけれど変わり者一人見つけるとその周りには変わり者がいっぱい群れている』ってこれも先々週の放送での話。ちょっと極端な言い回しかもおしれませんが、自分の若い時の人との出会いは、✕や△をそうみなさない人たち、ルビを振るなら✕は、ばつではなく分からないであり、△は、それほどでもないではなく、考慮すべきもの。であり悪くない。自然にそんなふうにとらえれる大人との出会いが今思うと大きかったかも。個性を丸ごと受け止めてくれる人たちとのかけがえのない幸運な出会いは今の自分の支えとなっています。

ふーっ。 完


2020.11.14
Manzo alla pizzaiola

”短角牛のピザ職人風”修業先Ris,CACCIANIの定番賄いでした。

ちょうど冷凍しておいた切り落としの短角牛があったので、賄いに。

ホント、簡単ででも美味しい。(懐かしい美味しさでもあります)

ローマのTORATTORIAでは当時定番で、レストランではあまりお目にかからない下町のローマ料理です。毎日食べても飽きない、生活に根差したイタリア料理です。

自家製ボッタルガも仕上がりました。

定番中の定番”短角牛の炭火焼 秋トリュフを添えて”


今日の仕入れ

・フランス産雉

・フレッシュポルチーニ茸

・フレッシュジロール茸

秋真っ盛りです。


2020.11.12
鮑のステーキ 香草白ワイン風味

2020.11.11
自家製鰆のオイル漬け

この時期の鰆はまた一段と美味しいものです。

5kgほどの大鰆を一本でどーんと仕入れるものですから、一度にははけません。時には半分と言う提案の時もありますが、基本一本買いとなります。でなければこんな脂ののった鰆を仕入れることはできません。

でいい状態で食べてもらおうと思ったときに考え付いたのが”鰆のオイル漬け”言ってみれば”鰆で作ったツナ缶”・・・ちょっと日本語が変な感じですが、ま。そんな感じ。

ただ、脂乗りのりの頭の方の鰆を使うのと、火入れをゆっくりと行うのでかなりしっとりと仕上がります。

低温でゆっくりとボイルして半日風にさらし、干して余分な水分を調整したらオイルに暫らく漬けます。

これを何に使うかと言えばパスタソースです。イタリア修行時代にシチリア人の友人に教わったツナを使ったシチリア風のパスタです。思い出深い一品、もう少しお待ちください。


2020.11.10
自家製ボッタルガ

焚火にハマって

自家製ドライポルチーニ茸

三ケ日みかんのマーマレード

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