2021.01.30
冷製キャビアのフェデリーニ

この”冷製キャビアのフェデリーニ”の話。今から40年ほどになるでしょうか、ミラノにRistorante Marcheseと言う三ツ星のレストランがあり当時そのレストランで何人もの日本人の研修生(現在のイタリア料理をけん引しているシェフ達)が料理修業に行っていました。その頃家庭料理の冷たいパスタはあるものの、リストランテの料理としての冷たいパスタはありませんでした。

イタリア料理の時流が”Nuova cuccina”と呼ばれていた時代のことです。自分もそうでしたが、研修先のオーナーに「日本料理を何か作って」ってよく言われたものです。あちこちの日本人の研修者のいるレストランではこういったことが日常的にあり、その中で当時のイタリアでのNuova cuccinaの時運と友好的な化学反応を日本人の良心が作用した部分があると考えられます。

そのRistorante Marcheseでも少なからずそういった作用があったあったようです。ACQUA PAZZAで日高シェフがこの”冷製キャビアのフェデリーニ”を日本でお披露目したその試食で初めてこの料理を味見させていただきました。その時の衝撃は今でも忘れません。

その当時の熱量をこのお皿に込めました。

 


真鯛の炭火焼 香草白ワインソース

ラタイオーロ ピスタチオのジェラート

”トルタ・デッラ・ノンナ”おばちゃんのタルト ピスタチオのジェラート


クラテッロのパッパルデッレ

数年ぶり、それも清水の舞台から飛び降りるつもりで購入したこの”クラテッロ”普段うちが仕入れている生ハムの約4倍仕入れ時点で約7万円!12月の喧騒に紛れて社長(うちの奥さん)にお願いして購入しておいたもの。

で。このクラテッロ買ってそのまま切ってお出ししてもそんなに吃驚する美味しさになりません。一仕事がいります。

まず。真空を外し、豚の膀胱に入っているものといないものがあるのですがどちらにしてもタオルでくるみ、赤ワイン(クラテッロの製造工程にその熟成庫の床に地のワインを撒いて、そのほのかに立ち込める芳香をクラテッロにまとわりつかせながら長い熟成期間を過ごすわけです。その同型のワインBARBERAかBONARDAを使用)をタオルにたっぷりとしみこませゆっくりそれを巻いたクラテッロに吸わせていきます。1ヶ月を超えたころから別お食材のようになってきます。それがこのクラテッロ!

卵黄たっぷりのパッパルデッレをたっぷりのバターで和えパダーノチーズとミックス胡椒を削ってクラテッロを盛れば完成。


真鯛と蕪のマリネ 自家製ボッタルガ風味

洋ナシと真鯛のマリネ

仔羊とカルチョーフィのパッパルッレ”ローマ風”

 

 

魚介類のマリネ”シュエ・シュエ”ナポリ風


2021.01.29
新潟網獲り鴨

今シーズンお気に入りの食材がこれ”新潟網獲り鴨”。

炭火で焼き上げた時の香りの上がり方が抜群です。普段ジビエのシーズンが明けるとフランス産シャラン鴨を使っていましたが、今年はこの鴨をこのシーズン中に買いだめをして暫く使うことにしました。

この新潟網獲り鴨はジビエではあるものの,旨味はありながらあっさりとした風合いの肉質で、冬の季節を外れても炭火て調理すればあっさりと食べれる良質な食材となります。

フランス産雉の炭火焼”ジェンツァーノ風”


2021.01.19
フランス産兎のディナおばさん風

女性誌のイタリア特集を読み漁ってイタリア研修の折ボローニャのRISTORANTE DINAってレストランで出会った料理。この料理も作っていて飽きの来ない料理です。素材はいたって簡単で割とさってできる。理にかなった調理法なんでしょうね。


2021.01.18

新潟網獲り鴨の炭火焼

定番”フランス産骨付き仔牛のミラノ風カツレツ”


グリーンピースのローマ風

初物のグリンピースをベーコンと生ハムの風味をつけてローマ風に煮込みます。

お店の”季節の定番料理”って、うちの店にもお陰様でいくつかあります。うちで提供しているどの料理にも自分の思い入れがあります。修行中に研修先て供されていて感銘を受けた料理や、食べ歩きや旅先で出会った様々な料理との出会いを長年かけブラッシュアップしてきました。

地元で手に入る食材を使って、イタリア料理の技法を使いつつ、この土地のお客様にすっとなじむように自分がそれらの料理と出会ったときの体温みたいなものも再現できたらって思いも込めて。それはこっち側のアプローチ。

で、そのお皿が認知され頭一個出た感じになるためには、やはりお客様にもまれて育てていただくことが必須です。

この季節で言うとこのグリンピースを使った”そら豆とグリンピースのタリアッテッレ ローマ風”とか”アオリイカとそら豆、ルッコラのマリネ”あと冬の食材の”白子のムニエル ローズマリー風味”なんかです。

断トツなのは夏の料理になりますが”絹姫サーモンと桃のマリネ レモン風味”で、帰り際のコメントも一番多いです。

それに割りのシーズンが長く提供できて飽きさせない魅力を感じているのが”黒トリュフのルチア風タリアッテッレ”や”蛸とジロール茸の温かいアンティパスト”それに”お魚と蕪のマリネ 自家製ボッタルガ風味”などはその食材のある間はレギュラーとしてアラカルトやお任せコースの核になるお皿たちです。

こうして長年この土地の食材と向き合ってああだこうだとやってきて見えてきたことは、やはりその土地の季節の食材で、その土地に根差した調理法で作られてきた料理って言うのは飽きがこないって言うことです。

若いころ力任せに作っていた料理は今残っていませんし、自分でも振り返れないし覚えていません。逆にずっと作り続けてきた料理ってお客様絵の認知度も高いですし、食べていて疲れないし、季節の地元の食材を使っているので、体にスーッと入っていくし、そもそも体が欲する食材だと気づかされます。残っている調理法ってやはりうまく出来ているってことにほんと感心します。残っていく何かがあるのでしょう。


2021.01.16
生産者と共に

今日の仕入れ。

・フランス産兎

・フランス産仔牛骨付きロース

・岩手山形村短角牛ヒレ

今回久しぶりに山形村短角牛のヒレ肉を3本仕入れました。

普段はサーロインを毎月一本送っていただいています。今回行き違いでサーロインの入荷がなく代わりにヒレ肉を送っていただきました。でも普段ならヒレ肉は頼んでも回してくれることはあまりありません。たぶんこの緊急事態宣言の下キャンセルで浮いた分が3本出たと言うことだと思います。

真空パックと言うこともありますし、普段なかなか使えない短角牛のヒレ肉ですし、応援協力と言うこともかねて全部送っていただきました。

暫くは滅多に焼かない山形村産短角牛ヒレで行きます。


テイクアウトのお料理

”アオリイカとそら豆、ルッコラのアンティパスト”

”蛸とジロール茸のマリネ”

“伊勢海老のシュエ・シュエ ナポリ風”

 

 

”フランス産雉の炭火焼 ジェンツァーノ風” ”パプリカのロースト バーニャカウダ風” ”トマトのイタリア米詰めロースト ローマ風” ”そら豆のローマ風”

 

有難いことに、一回の食事分の予算を組んでいただけるので、思いっきり食材を投入して、勿論一層心を込めて作らさせていただいています。ですからお皿をお返しに来ていただくときには『フラスカティが家にやってきた』って言っていただけます。


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