また桃の季節が巡ってきました。一年を通して定番の料理やその季節折々に出まわる旬の食材でフラスカティならではの料理を提供しているのですが、この”桃とお魚のマリネ”は一番人気な料理です。
どの料理も自分には思い入れのある料理(若いころにはいろいろな食材や、様々な知る限りの調理を駆使して料理を自分らしく構築しようともがいた時期がありますが、結局お客様に支持される料理って自分が若いころに感銘を受けた料理や、その考え方を受け継いだ料理であり、伝統的な郷土料理をこの土地に合わせて再構築した料理)この”桃とお魚のマリネ”に関してはホントダントツにお客様の声を頻繫に伺う料理になっています。
もともとは南イタリアでよく組み合わされるフルーツと魚介を使ったマリネ。例えば”海老とフィノッキオとオレンジのマリネ”であったり”お魚とオレンジのマリネ”または”お魚とパッションフルーツ”ってところでしょうか。あとは苺とかパイナップルとかも?
オレンジと魚介の組み合わせであると美味しいのは間違いないのでしょうが、うちのお客さまだと当たり前すぎて選ばれにくいような経験を何度かして、レシピとしては保険としては持っておこう!と言う立ち位置でいま一歩のかんは否めませんでした。
今の肌感覚、自分の言葉で言うと”フルスイングではない”・・・。ま、当てに行っている感じですか?こじんまりまとまっちゃっている感じ。振り切れて居ないんでしょうね。
ある時料理書を見ていてふと目に留まったのがフレンチのシェフの掲載されていた料理”オマール海老と桃、キャビアの前菜”でした。オマールと桃は合うでしょう。ただ現実的ではないと当時考えて、普段から仕入れている鮃や真鯛、鯒や鱸などの白身に合わせれないかと考えたのが始まりでした。
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