煮込み料理って好きで、今までもいろいろ取り組んできましたが、うちの肌感覚で言えば”焼いた肉”グリルとか炭火焼、インパデッラなど表面を香ばしく焼き上げた自分の言葉で表すと”肉焼き”の方が断然オーダーされることが多く、ただそれだけだと料理のバリエーションも単調になってしまいますし、そもそも自分が満足しないので、手間のかかる煮込みはトリッパ料理二種類とこのテールの赤ワイン煮を定番の煮込み料理として常時オン・リストしています。
ただテールって、根元から3~4節目までが煮込み料理として提供できる大きさで、それより下はぐっと細くなってきて食べる所があまりありません。そこを考えるのが料理人として楽しくて、いろいろ試行錯誤して現在は、Agnolottiに落ち着きました。
もともとAgnolottiは自分の研修した地方にはない料理で、ピエモンテ州の代表料理ですが、いろいろ自分なりに調べてみて、試してみて現在のこの考え方に落ち着いたのですが、このAgnolottiに限ったことではなく、イタリアの地法に伝わる伝統料理はその土地で取れた食材をその土地の調理法で仕立てた料理ってことが前提にあるわけで、それを日本で、それも豊橋でってなった時に無理くりその物すべてを持ってくるのはそもそも無理があるって言うところがあるわけで、それは今やっている自分が見て来たラッツィオ州やロンバルディア州、トスカーナ州の料理にも言えるわけで、今までそれをやってきているので、ってなった時に、肉とお米や葉野菜、パルミジャーノチーズなどで作る詰め物を、うちでは牛テールの赤ワイン煮で、提供できない細いテールを一緒に仕込んだ、味にそん色ないって言うか、もっと言うと美味しいテールの赤ワイン煮の細い部分の再利用方法として。と言うところに思い至りました。
そうすれば料理の構成要素としてとても自然です。無理がない。後はピエモンテの人の様に詰め物を構成するだけです。
ふーっ。
それが今提供しているAgnolotti del plinです。(写真は今ありませんが)
お昼も夜も提供していますが、聞こえてくるこの料理の評判は「何より詰め物が美味しい」です。しめしめです。
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