新城に住んで早25年になります。豊橋までの通勤路、地元では柿の木街道と言われる通勤路を毎朝通っています。その名の通り、この街道沿いは一面の柿畑で合間合間に梨や桃、ブドウも植樹されていて季節ごとに道端に無人直売所が設置されています。(もちろん無花果も、新城側には栗畑、少し違うかもしれませんが峠を越えて静岡県側の三ケ日にはミカン畑)
はじめはそんな直売所って見たことなかったのと、この一帯の一番の名産である”次郎柿”ですが、そもそも柿が子供のころから苦手でした。だだ毎年毎年秋から12月頃まで無人、有人の直売所を毎日横目に見ていてちょっと悔しくなりました。なんか自分のウィークポイントを放置しているようで。
ましてや遠くの産地のものであればまだ知らず、目の前の通勤路に季節の食材が並んでいるのに素通りしてるって当時の自分には悔しかった。若かったですね。
ある年からその柿を買ってみることに。『買わないと始まらない』と言う気持ちで。
次第にだんだん柿の料理がイメージできるようになり”柿とルッコラ、イカのマリネ”や”洋ナシと柿のソースのお魚のマリネ”はたまた”柿酢”に至るまで作るようになりました。
桃はこの時期の一番人気のアンティパスト”桃とお魚のマリネ マンダリンフレーバーオイル風味”になりました。
で、無花果ですが、“無花果のパルフェ クレーム・ダンジュ添えパッションフルーツ風味”になり現在ではこの”新城無花果のタルト”に至りました。
多分この土地で生活していなかったらこれらのフルーツの料理やドルチェに一つも取り組んでいなかったか、それなりの完成形には至っていないと思います。それは良くも悪くもこの土地で生活していなかったら、毎日その時期になるとその横を通り過ぎるという無言のプレッシャーを感じなかったでしょう。原動力ってどこから来るか分からないものです。
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