2020.07.05
今日の賄”フォー”

自分んって、ちょっとここが変なとこなんですが・・・。賄いを作るときに、心掛けているのはもちろん『あるもので賄う』なんですが、なんでもできるわけではないですし、時間やその時々で食材の制約もあります。近年では夫婦二人での営業形態なので、以前はご飯を炊いていたのですが作業工程が増えることと二人分のご飯を炊くのも(鍋で以前は炊いていました)今はやっていません。必然的に献立は洋食か、中華や和食でもご飯抜きになります。

献立はパスタの日が半分、中華や野菜炒め、下ろした魚のアラの塩焼きなどです。日々ランチの営業後の片付けや夕方の準備の合間にササっと賄いを作って食べるわけですが、時間がある日にはちょっと凝ったことをしたり、食べたいものを作ります。

それと賄料理で(イタリア料理で持っている、賄で使える食材)許容力があるのが、やはり中華。もちろん鍋やみそ汁。あとパエージャ!パプリカのロースト、蛸のトマト煮、お客様にお出しできなくなった魚介類や切れ端、バーニャカウダの野菜の残り、生ハムの硬い部分などなど、なんでもお米が受け入れてくれます。言ってみれば闇鍋状態がかえって美味しくなるくらいのイメージ。

ただ自分のウィークポイントが、結構普通の料理が苦手。例えば焼きそば、うどんや蕎麦(冷やしは得意)、具の少ない普通の味噌汁、お好み焼き、かき揚げなどの天ぷら。当時はスタッフの青さんにその辺のメニューは助けてもらって、それ以外は自分が作るというやり方をしていました。

なのに、変な料理は血が騒ぐというか燃えます。大陸系だからでしょうか。ハーブカレーの真似事だとか、例えばある日は、なんか中央アジアで手で食べるようなイメージのプレートって言うお題で想像料理を作ったりとか。ハンバーガーをパンズから作るとか。

ちなみに由貴さんの印象に残っている賄は、酸辣湯、蒸しパンを作って自家製八角風味の豚の角煮を辛子で食べたり、九州柳川で食べてきた地元の鰻の蒸籠蒸しを再現したりでした。あとはシンプルにワインとチーズとバケットなんて言うのまで。

長い一日の営業で少しでも(もちろん毎日ではありません)リラックスすることや、親交を深めるひと時って大事だと言うことは、イタリアのレストラン、帰国して働いたアクア・パッツアでもこういった概念で皆取り組んでいました。勿論こういった仕事柄賄が食べれないような日もあったり、食べれないまでも忙しくて、その時間をどうしようって言う日もままあります。賄いが上手くいってない時ってお店の方もうまく機能していないって言う現場のほろ苦い経験も。

今日はなんだかアジアンな気分!久しぶりにフォーにしてみました。ただちょうど魚のあらがあったのでホウカイ(ヒゲ鱈)のアラのフォー、勿論パクチーも入れました。

 


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