2019.11.28
ドウマン蟹

来月のNHKカルチャースクールのセミナーのイタリア語教室の一環”SAGRAの会”の12月開催の“イタリアのナターレ(クリスマスや大晦日)に食べられる料理”のドルチェでお出しする用のトルタ・ディ・マルメラータ(自家製ジャムを使った素朴なタルト)の仕込みで、久しぶりにリンゴとバナナのマルメラータを仕込みました。

最近使い始めたドウマン蟹、きっかけはタラバ蟹だったのですが、その後入荷の話はなく、お客様の反応も良く、さっと終売を迎え、一瞬地元産渡り蟹を仕入れてみたところに,ドウマン蟹入荷の案内があり一度仕入れてみた所、思った以上の反響があり、ましてやドウマン蟹は地元食材でより表のサーヴィス(由貴さん)もお勧めするうえで押しが効き、ましてやお客様の引きも強く、1週間で3回仕入れるほどです。

昔は分かっていても売れ筋より作りたい料理であったり。使ってみたい食材を最優先していました。先日もどなたかアーティストの方が言っていましたが、『30歳代は実験的な時代でした』まさに自分もその通りで、その分それなりの代償を払いましたし、それによって得たことがあり、今となっては料理を提案していくうえでとっても貴重な財産です。

それこそ禁じ手!ではないですが、その実験的なはたまた天邪鬼的な時代を通り過ぎて来て、今はお客様が喜んでいただける料理って、自分のストロングポイントの中でどの切り口なんだろう。なんて、昔なら心の中の天邪鬼が顔を覗かせて来てメニューに載せるようなことを避けていたようなことも多々あったと思います。

今では少し大人になったのでしょうか。このあたりがいいんじゃあないかってお客様目線で提案できるようになってきました。

ま。それにしてもよく出ます。一時トリュフのパスタばかりが出る様なサイクルでしたが、ここ10日ほどはほとんどドウマン蟹のパスタばかり作っています。

それと禁じ手って言う訳の一つは、もともと蟹ってそんなにそのまま食べる食べ方に関して食べ手として、料理人として食指は動かないのですが、蟹に限らず高級食材ってパチッとはまった狭いスイートスポットに巧い調理法をあてがってやると飛躍的に、ま。吃驚するくらい力を発揮してくれると思っていて、ポーンと飛び越えて行くような感じがあって。でも諸刃の剣で、どんなものにでも入れればそれなりになってしまう恐れもある食材って言う怖さも持っています。売価も安くないので、これが入っていたからこの値段。って言う怖さを内包しているわけです。やっちゃあいけないのは、そこで。こんな狭い町で(レストラン人口の少ない)それを高級食材に勿論限らないのですが、やってしまうと次回がなくなってしまいます。

いつも自分に言い聞かせているのは『いい食材使いたかったら説得力のある料理に完成されれなかったら使うな!』です。


ドウマン蟹とドライポルチーニ茸のパッパルデッレ


イタリア(ヴェネト州)産兎のロースト

数年前からとっても気に入って使い続けているイタリア(ヴェネト州)産兎肉。塩をして焼くだけで十分に美味しい(素晴らしく美味しい)お肉です。ただ一羽を6等分(腕×2、胴×2,腿×2)となるわけですが、各部位で肉質が全く違っていて、その各部位ごとに微妙に焼き方を調整して一番その肉質の特徴にあった火の当て方をしています。どちらにしても脂が全くない肉なので、ちゃんと調理してあげないとバサッとしてしまいます。ただジュストな火の入れかたをしてあげるとほんと美味しいです。で。今お気に入りなのはポルチーニ茸をソース代わりに添えてあげる組み合わせです。今年ポルチーニ茸は豊作でものすごくコンディション良く、いろんな用途に振り分けて使っています。かなり評判も良く、ポルチーニ茸の美味しさを伝えれているのかなあ。と思っています。


2019.11.19
紋甲イカと正木さんの蕪のグリル

“海老と平貝、ズッキーニの詰め物をした魚介のラビオリ ヴィアレッジョ風”

“紋甲イカと正木さん蕪のグリル サルモリリオソース”

イタリアに5年住んでいたのですが、ほぼ毎日(初めの2年間はローマの日本料理店で働いていたため賄は日本食を食べていましたが、休日はほぼトラットリアで勉強を兼ねた食事をするようにしていました。3年はどっぷり、日本語もしゃべらないくらいの勢いの時期もありながら)その5年間に延べ何食のイタリア料理を食べたでしょうか?帰国して30年を経て、今こうして料理を作り続けていけている基礎体力のような、料理を構築する考え方のベースになっている経験をこの5年間で培ったと遅まきながら、つくづくこの頃になって改めてかけがえのない時間だったんだなあと実感しています。

幸せなことに、その期間に忘れられない食事の場面が数々あります。何かのタイミングで立ち寄った何件ものレストラン、研修させてもらったレストランの賄、友人宅でごちそうになった家庭の味、Alimentari(食料品店)やCOOP(スーパー)で購入した食材で自炊した料理などなど。勿論美味しくない料理であったり、いい加減に作られた料理の経験もそれ以上にあります。

あと、そのイタリアでの生活の中で過ごした土地、旅した地方の料理でも、イタリア人には当たり前に受け入れられている味付けであったり構成の料理でも、これは日本人には美味しいと感じれないって言う料理も数多く出会いました。勿論それは日本料理にも言えることでしょう。そういった今まで経験してきた、作ってきた料理のバランスシートのようなものが自分の中にあります。ただそれが実際今、現実でのうちのレストランに来店されるお客様に機能するようになってきたのにも数々の失敗がそのバランスシートに注釈として書き込まれていったので、今こうして具体的に自分の中で機能していると思っています。・・・30年かかりました。数々の失敗の賜物です。

紋甲イカのグリルは思い出深い素朴な料理。シチリアを二人で(由貴さんと)旅していた時に出会った料理です。シラクーサの港に面した市場の隅にポツンと一件だけ営業していたTavola calda(食堂)で、そんなに期待せず、その場所で営業している食堂はそこしかないからま。ここにしよう。くらいの気持ちでふらっと入ったのですが25年たった今でもそこで食べた、ぱっと見何の変哲もない料理のように思って食べ始めたのですが、いやいや。今でも時々その食堂の話になる思い出深い食事の一回です。

・茄子のグリルマリネとズッキーニのグリルマリネ

・カタクチイワシのトマトオイル煮

・蛸と酢漬けのピーマンとペペロンチーノ風味

・ピーマンのマリネ

・紋甲イカとイカのグリル サルモリリオソース

・鰯の丸焦げグリル サルモリリオソース

ほんとにぱっと見何の変哲もない料理だったのですが、僕たち二人にはショッキングなくらいシンプル。言ってみれば、そっけないくらい飾りっ気がない。それでいて美味しくダイレクトに素材を生かしていてこれがシチリアか!食の懐の深さを改めて感じる象徴のような出会いでした。

それがこの料理の根っこ。さすがに紋甲イカグリルしただけ。ってわけにはいけませんし、せっかく季節の野菜たちがある中でそれを合わせないわけはありません。特に、昨年正木さんに教えてもらった蕪のステーキは大のお気に入り。ちょうど今最盛期で寒さとともに甘みものってきています。それに香ばしくグリルした紋甲イカにはとっても合います。

 

 

ボッタルガ出来上がりました。

先日仕込んだボラ子、塩漬け、塩抜きを経て干しに入りそろそろ仕上がってきました。一本試しに試食です。

 

“洋ナシと鱸のマリネ 石巻の柿のソース”


2019.11.15
ボッタルガ

塩漬け、塩抜きを済ませたボラ子を昨日から干し始めました。寒風が吹きはじめボッタルガづくりには最適な気候になってきました。仕上がりは来週末の予定。週末から自家製新物のボッタルガがメニューに掲載できそうです。お楽しみに。


2019.11.14
真鱈白子

Peperoni al forno

どうまん蟹

2019.11.13

賄いの“地鶏と茄子のレッドカレー”



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