2020.01.17
人に贈る本

普段料理に関する本はほとんど読みません。ただもちろん仕事で確認したいことや、料理講習会などで確認しなければならないときはもちろんそういった本を手に取ります。

一年に一度ほど、その分まとめて料理書や料理に関したエッセイなど自分の買いためたストックをまとめて一気に体に取り込む。様に読むことがありますが、この12月は昨年ちょうどその周期になりました。

一年ほど前に友人から紹介されて中身をチェックすることなく、彼女からの紹介ならのおすすめ本なら読む価値があるだろうと購入。暫く手付かずのままでしたが、何のきっかけかふと手にとって読み始めたら、吃驚するくらいその頃の自分にはビタミンになる言葉がちりばめられていました。ほんと一気読みでした。

どちらかと言うと普段から料理研究家と言う人たちの関わる書籍や映像はちょっと避ける傾向にあったので、本を購入したはいいもののしばらく横に置いておいたのはそんな普段からの習慣が働いたのかもしれません。

 

 

 

 

書いてあることは日本の食を通しての彼の目線ですが、当たり前のことですが普段忘れがちな事、そしてそのことについて語る人が実はほとんどいない場所です。言ってみれば根っこの部分でありアイデンティティーって気づかせてくれる。そんな何気ない暮らしの中に現代人が忘れてきているような事柄について綺麗な日本語でとつとつとつづられていることにまず驚きました。ほんとに普遍的な事柄が書かれているので、良い小説や映画、美術作品にしてもそう思っていますが、その見たり読んだりする年齢やタイミングで感じ方が変わってきたりすることがよくありますし、例えば自分が初めて自分の意志で購入した司馬遼太郎さんの”竜馬がゆく”にしてもそうなんですが、今まで何度読み返して来たでしょうか?十代後半高校2年生の頃に初めて全8巻完読して20代30代40代そして50代の今ことあるごとに読み返しても全く感じ方が変わってきています。例えば若いころは主人公側に気持ちを感情移入して読んでいましたが、年を取るとともに敗戦者側であり激動の時代に非業に斃れていった人たちに共感と言うか気持ちが傾くようになっていることとかです。

 

で、この本にしてもそんな力のある言葉であり時が移っても変わらないこと(変わらないでいてほしい事柄)がつづられているように感じました。これから自分もこの本を手に取るごとに感じ方や共感する部分がその時々で違った思いで読めるように感じています。


2020.01.16

短角牛テールの赤ワイン煮

2020.01.15


料理してます!

11月12月と日々仕込みと調理はこなす。というと語弊がありますが、ご予約に向かって料理をひたすら仕込み続け、乗り越えていく山のような日々を過ごしていました。一変!1月になり一気に暇になり、しばらく抜け殻の様になり、やっと数日前から人間らしい感覚に戻りつつあります。

ちょっと寄り道のような地味な料理や仕事が本来好きな自分としては、やっと一息つけたこれからがそういった季節折々に出荷されてくる食材とひとつづつに向き合って料理していくモードにギアチェンジしていけるのかな。って言う感じ。

もう年齢的にちょっとどんと一気に来て回していく仕事って体に応えます。なんて思っていたら。でもでも。碧南の30年来の先輩であり友人のバーのマスターが先日来店され食後に世間話をしていて、『今74歳で、あと10年現役で!82歳で店が50年になるから建て替える!!!』ですって。自分なんて53歳で、もうしんどいとか言ってられないくらいガツンと!熱い熱弁を聞いて身が引き締まりました。

今年も頑張ります。

ほんと持つべきものは良き友人です。

 

先日新聞か何かで見かけた言葉で『良き友人や刺激を与えてくれる人に会う確率は20歳代が一番多い』って書いてあってほぼ自分もそうで、納得です。ただ自分は19歳で半田を出てから大阪奈良の調理師時代。ローマ・東京修業時代。実家に戻った雇われ時代。そして現在に至る自分の店をもった豊橋。それぞれ印象深い個性的な出会いがあります。ありがたいことです。

心のふるさととなっている高校時代の先生や数人の地元の同級生に始まって、右も左もわからない自分に箸の上げ下げから指導してくれ、当時の自分は何で。って意味が理解できなかったけど、ホント今になってしみじみと人として恥ずかしくないように指導してくれていたんだなって。今となっては感謝しかない奈良住み込みバイト先のオーナーご夫婦。イタリアで出会った藪本さん、佐々木さん、綿貫画伯ご夫婦はとにかく温かく見守り続けてくれました。そしてイタリアの修行先のレストランで出会ったイタリア人たち。は料理をしていくうえでの道しるべとなっていますし、同時代修行に渡航してきていて、同じ時代の空気を吸って研修した日本人のコック仲間の数人。は、時を経て30有余年それぞれの現場で立ち続けています。もちろんいろいろなことを経験し経てきていることでしょう。だからこそ離れてはいても戦友であり、今自分のモチベーションになっています。

今こうやって振り返ってみてもほんとに素敵な、道しるべになるような人たちとの出会いが数多くあります。ましてやそれが途絶えずに、今もたまにですが連絡を取り合える関係をつづけられていると言うことに今更ながら有難いことだなあ。と感謝しかありません。僕の宝物です。

 


2020.01.09
フラスカティ美術同好会

11月下旬だったか、新聞広告で見つけて早速チケットを購入した”神の子”。田中哲司×大森南朋×赤堀雅秋の演劇ユニットでヒロインに長澤まさみさんを招き、あとでんでんと江口のりこさんとか、普段自分がいいなあって思う映像作品に出ている人たちがギュッと詰め込まれていた舞台という事だけの情報で、取るものもとりあえず由貴さんに『12月頑張るから久しぶりに演劇観に行かない?』ってデートに誘い、OKを取り付けチケットを購入していました。

演劇鑑賞なんて20年近くぶりでしょうか。ライブもちょっと行けていませんでした。

内容も分からず、衝動的に出演者リストと年明けすぐと言う絶好の公演日のタイミングの良さで行くことを決定したのですが、やっぱ生ものはいいですね。名前が通っていて、少人数で、ぎゅっと。やりたいことをやってる感が、好きな役者さんたちが目の前で演じているさまを、まじかにその熱を感じれるっていいじゃないですか。

自分も物を作る(創る)仕事をしているはしくれとして、人が作り出す熱量を感じるって言う場所に身を置くってとて心地よいと言うことを改めて実感しました。いっぺんにではなくとも少しずつそんな時間を意識してとっていきたいものです。


2020.01.05

2020.01.01

毎年届けてくれる遠山さんのお餅で作る我が家の雑煮。体に沁みます。


謹賀新年

待ちに待った穏やかな我が家の正月の過ごし方です。

もうこの日のこの風景を待ち望みながらここ2週間ほどを過ごしてきました。

1年のうちでお店のとと料理のことを全く考えなくていい日は自分にとっては正月の元旦1日だけです。この日の為に1年頑張ってきていると言ってもいいくらいです。

今年もばばの”甘々茶碗蒸し”です。次女の可南子さんも早朝からお手伝いしてくれています。

皆が楽しみにしている”弁いち”さんのおせちです。

他の料理屋さんのおせちは知りませんが日本料理の正しいおだしの香りがお正月感をより高めてくれます。


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