お母さんと共に朝のカフェオレを飲みながら…
10回目の母の日を迎えて・・・
自分のおふくろは16年前に亡くなっていないんですが、10年前にシェ・モリヤがオープンして以来お庭の手入れをしてくれ、大変お世話になっている匂坂さんの事を、実は「お母さん」と呼ばせていただいています。
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店の庭にて |
毎年「母の日」になると、感謝の気持ちを込めてプレゼントをしているんですが、今年はお母さんの大好きなワインにしました。食事に来られた時に必ずワインを飲まれるのですが、自分の料理を食べながらワインを飲まれているお母さんの顔をガラス越しから見てると、とても幸せそうで、自分まで幸せな気分になってしまいます。
先日も庭の手入れに来てくださった時に、ワインの味はどうでしたか?と聞くと、もったいなくてまだ飲んでいないけれど、「赤ワインだからお肉料理を作ってワインの好きな友達を呼んでいただくわ」と言っておられました。年に何回か、お母さんの作った料理をいただくんですが、とても美味しくて優しい味がします。実のおふくろの作る味と似ていて、いただく度におふくろを思い出します。
自分の料理の原点は「おふくろの煮ころがし」なんですが、裏の畑で採れた野菜を、砂糖と醤油だけで作るその料理はメチャクチャ美味しくて、今でも忘れられなくて…おふくろみたいに優しい、人を幸せにできるような料理を作りたいと思い、料理人になりました。今でも「おふくろの味」を思い出しながら「優しい」「人を幸せにする」料理を作りたいと思い、日々原点を忘れないようにしています。
そして、お母さんは毎週(木曜日)、庭の手入れに丸10年かかさず来てくださっています。毎回の手入れの合間に朝のお茶(カフェオレ)をしながら愛を語り合うんですが(笑)、お互い病気知らずで毎週(今までにトータルで480回位かな?)デートしてます。10年間変わらず続ける事は簡単には出来ないんですが、本当に有難く思い、改めて感謝の気持ちでいっぱいです。お母さん、いつまでも元気でいてください。そして、又来週も変わる事なく、お茶しながら愛を語り合いましょう。
おふくろを思い出したので、近い内に墓参りに行ってこようと思います。
シェフ 守屋 金男
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