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浜松三ツ星会「HARUNO CAVIAR VALLEY見学」に行ってきました

トリュフ、フォアグラと並んで世界三大珍味の一つとして知られる「キャビア」。
チョウザメの卵の塩漬け?フランス料理の高級食材?etc…まだまだ日本人(特に我々庶民…汗)にはあまり馴染みのない食材のひとつかもしれません。実はここ浜松市天竜区春野町で「世界一美味しいキャビアに挑戦!」というコンセプトのもと、チョウザメの養殖とキャビアの加工が行われているのをご存知でしたでしょうか?

 

「春野町とキャビア」。全く共通点がないようにも思えますが、チョウザメの育った環境がキャビアの味を決めると言っても過言ではなく、また、キャビアの成分の大半を「水分」が占めることから、世界でも有数の名水の産地である日本の中で、ミネラルを豊富に含む「奇跡の水」を追求した結果、この「春野町」という場所にたどり着いたのだそうです。だからこそ「世界一の水」が流れる春野町で、世界一美味しいキャビア作りへの挑戦がなされるというわけなのです。南アルプスに育まれた豊富な地下水をふんだんに使って、こだわりの飼料で育てられたチョウザメは、他に類をみないクリアな味となります。

 

…というわけで、最高の食材を求めて「浜松三ツ星会」の勉強会が、11/27火曜日、天竜区の秘境、春野町川上にある「HARUNO CAVIAR VALLEY」にて行われたのでした。今回は会員非会員合わせて12名の皆さんと共に、チョウザメの養殖風景の見学やキャビアの加工についての知識を深める機会となりました。

 

まずは「HARUNO CAVIAR VALLEY」の運営会社である「金子コード(株)」事業統括本部 食品部 部長の中村さんによるプレゼンです。こちらの施設のこと、チョウザメの生態、キャビアの歴史、独自ブランド「HAL CAVIAR」のこだわりetc…丁寧な説明がなされていきます。

 

そもそもなぜ国産キャビアにこだわるのか?

実は日本で流通しているキャビアの9割以上が海外から輸入されたものであり、その大半が長期保存のために10%近い塩分やたくさんの保存料が添加されていて、「安全で美味しいキャビア」というには程遠い状態なのだそうです。有名な産地であるロシアの「カスピ海」や、中国やフランスの養殖場は、年々生活排水や廃棄物などによる水質の汚染が進んでおり、それがキャビアの安全性や味に直結しているとのこと。本来キャビアも「生もの」なので、賞味期限が1年から2年程度ある保存料をたっぷり使った輸入物のキャビアよりも、短期間で消費することを前提に生産された国産の「フレッシュキャビア」の方が断然安心で美味しいのは一目瞭然なのです。独自ブランド「HAL CAVIAR」は、美味しさを追求し厳選した塩を必要最低限しか添加しておらず、保存料など全く使用していないオーガニックな製品です。濃厚なバターやチーズのように口の中でとろける本来の味と食感を楽しむことができます。

 

「チョウザメ」は、実は「サメ」ではない

日本では「チョウザメ」と呼ばれているだけあって、「サメ」と混同されることが多いですが、実は全く別の生物なのだそう。サメは「軟骨魚類」なのに対してチョウザメは「硬骨魚類」に分類されることや、サメには鋭い歯があるのが特徴なのに対し、チョウザメには歯がないとか、サメには腎臓がないので魚肉がアンモニア臭く食用に適していないのに対し、チョウザメには腎臓があるのでアンモニアを分解でき、魚肉がとても美味しく食用に向いている等、全く別の生物なんだということがよく分かりました。チョウザメの名前の由来は、その背中にある鱗の形が「蝶」に似ていて、全体のフォルムがサメに似ていることからくるのだそうで、チョウザメがほとんど生息していなかった日本ならでは考え方みたいですね。

 

プレゼンの後は、養殖場の見学です

こちらの施設では、ロシアチョウザメ、シベリアチョウザメ、コチョウザメ、シロチョウザメ、ベステルといった、5種類のチョウザメが約13,000尾養殖されています。それぞれの種類ごとにキャビアの味の特徴があるようです。毎日約1,500トンもの水が使用されていて、こだわりのエサと綺麗な水をふんだんに使うことによって、キャビア本来のクリアでクリーミーな味わいを実現しています。仕切られたプールごとにチョウザメの大きさが違い、隅々まで管理がしっかりと施されている様子を見学することができました。

 

そしていよいよ「HAL CAVIAR」の試食タイムです

チョウザメの「鱗」の形を模してデザインされた素敵なレストランにて、いよいよキャビアの試食タイムです。参加メンバーのテンションも最高潮に達します。

 

まずはチョウザメのお造り、そして「キャビア」をそのまま一口で

そのまま一口で「パクっ」と食べるのが「HAL CAVIAR」の一番美味しい食べ方。キャビアの持つ繊細な美味しさを味わうために、贅沢に一口で。輸入物にありがちな泥臭さなど全くない、濃厚でクリーミーな味わいが口の中に広がります。嫌な後味は残らず、美味しい印象だけが残る…これが「フレッシュキャビア」の美味しさなんですね。脂のたっぷりのった「チョウザメの炙り」、さっぱりとして弾力のある「チョウザメの刺身」どちらも大満足のお造りです。

 

チョウザメの塩焼き

シンプルな調理で素材そのものの美味しさを確認できました。一口にチョウザメといっても部位によって違った印象を見せてくれます。イカのような弾力のある部位もあれば、脂の乗ったジューシーな部位もあり、楽しませていただきました。レモンと大根おろしとご一緒に。プロの料理人のメンバーも、自分だったらこうするとかああするとか、意見を交換し合っていました。

 

漬けにしたチョウザメとキャビアのお茶漬け

少し甘めに仕上げられたお出汁と一緒に、キャビアを堪能。こんなにキャビアを食べたのは初めて!とプロの料理人たちが驚きの表情で試食を勧めていきます。チョウザメからとった出汁が使われており、キャビアの一番美味しい食べ方といっても過言ではないかもしれませんね。

 

担当の中村さん、そして今泉さん、そして関係者全ての皆さん。最初から最後まで大変行き届いたおもてなしに心からお礼申し上げます。全く馴染みがないと思っていた「キャビアの世界」。大変勉強になりました。これからも「世界一のキャビア」を目指して、ここ春野町から日本国内をはじめ世界中にその良さを発信し続けていただきたいと思います。

 

今回の参加者は以下の12名

内田祥三 新中国料理ムーラン (浜松三ツ星会会長)
村山大介 チャイナキッチン翠園
鈴木孝治 ラ・サリーブ
水沼亜美 四川飯店
貝沼太加雄 レストラン カツヌマ
赤堀真朋 中国料理 好
遠藤裕児 リストランティーノ イプシロン
白井和美 レストラン ソワニエ
田村泰宏 新東クラブ 料理長
前田哲治 一般社団法人教育関連事業者ネットワーク
水谷泰三 ホワイトディッシュ
町田周平 ソルトドットコム (浜松三ツ星会事務局)

 

協力:HARUNO CAVIAR VALLEY
静岡県浜松市天竜区春野町川上34-12
https://www.hal-caviar.com

浜松三ツ星会
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