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【浜松三ツ星会】鷲津漁港セリ見学&海老仙工場見学会

早朝の鷲津漁港にて、小規模ながら活気あふれるセリ市の光景を見学させていただきました。

2020年11月24日火曜日。新型コロナウイルス感染拡大のために活動自粛を余儀無くされる状況が続いていましたが、約半年ぶりにメンバーが集結し、勉強会が行われました。今回は、創業大正10年、老舗「海老仙」の加茂 仙一郎 社長のコーディネートにより、浜松市のお隣、湖西市の「鷲津漁港」にて、早朝セリ見学をさせていただきました。

 

全国有数の豊かな漁場「浜名湖」の漁業を支える鷲津漁港

浜名漁協のHPはこちら
http://www.hamanagyokyo.or.jp/index.htm

浜名湖は幅200mの今切口で遠州灘に連接している汽水湖です。「汽水」とは、海水と淡水の中間の塩分を持つ水のことをいい、その水を湛えている湖沼は「汽水湖」と呼ばれています。平均水深は5mと比較的浅く、また複雑な湖岸を持ち、湖内に流入する河川からの栄養分が豊富なことから、多種多様な生物が育つこと特徴となっています。ここ浜名湖の漁業の歴史は、今からちょうど200年前に海苔の養殖が始まったのが起源とされているようです。

豊かな水、温暖な気候、豊富なエサ、特有な地形など、様々な環境の利点がこの小さな湖には揃っているのです。

 

 

定刻の8:15分となり、いよいよセリ開始です。

こちらの方が“目利きの達人”、浜名湖の水産業に90年以上携わる「海老仙」の大黒柱である、加茂 仙一郎 社長です。今回のセリは、海老仙さんの買い占めなのではないか?というくらい、ほぼほぼ海老仙さんの名前が上がっておりました。

 

天然鰻や、スズキ、ヒラメ、アジetc…といった魚介の数々が次々とセリにかけられていきます。

 

小一時間程度でセリが終わり、海老仙・本社に移動します。

創業大正10年。100年近く地元に愛される海老仙さんでは、浜名湖の車海老、天然鰻、魚介類、遠州灘のとらふぐ、はもの魚介類、自社養殖場の浜名湖鰻を始めとする各産地の鰻が取扱われております。めまぐるしく変化する時代のニーズに対応しつつ、一般のご家庭の食卓をはじめとして、浜松の飲食店への食材の提供、全国の市場への発送etc…食に関する様々な役割を担ってくださっています。

 

海老仙さんの会社見学です。

清潔に保たれた工場内では、活魚を一晩大きな水槽で休ませた後、活〆し、放血、神経抜き、冷やし込みをして魚の一番美味しい状態に仕立てます。魚にストレスを与えないように心がけることによって、美味しく新鮮な加工品をお客様のもとにお届けしています。

 

これからの「水産業の課題」についてディスカッションさせていただきました。

新型コロナウイルスの感染拡大の影響もあり、現在、海産物や水産加工品の需要と供給のバランスが崩れてしまっていて、これまで通りの流通を行っていくことが難しくなっている現状をお話してくださいました。街中の飲食店で当たり前のように使用されてきた「高級魚」の需要が、経済活動自粛の傾向の中でなかなか上がらないのが要因となってしまっています。かと言って、スーパーマーケットで一般のお客さんが高級魚を購入するわけではないので、せっかくの地元の恵みが台無しというわけなのです。

他にも、これから先、飲食店の業態がどんどんシステム化されていくことによって、決まった食材しか流通しないという問題も生じてきてしまっています。例えば、“養殖の鯛”をいつも仕入れているお店に「今日は天然の鯛が水揚げされたよ!」とお知らせしても、すでに決まっているシステムを変えることが難しいので、たとえ天然の方が良質だとしても売れないのです。このように仕入れの融通が効かなくなってしまっているのが現状のようです。

このような状況をはじめ、先々の時代のニーズに合わせた問題への取り組みが「海老仙」さんではなされています。今回の勉強会では、浜松の水産業の現状と今後の課題についても知ることができ、大変有意義な時間を過ごさせていただきました。

 

豪華なお土産をいただき、無事に勉強会が終了いたしました!

特大の「甘鯛」を真空パックにした、豪華なお土産を一人2つずついただき、販売店でのお買い物タイムも楽しむことができました。まさに「地元の水産業をなんとか盛り上げ、継続させていこう」という、 加茂社長をはじめとした「海老仙」の皆さんの努力の賜物ですね。ぜひこれからも、引き続き目の前の課題に取り組み、長年培ってこられた色とりどりの加工技術によって、地元のみならず、全国に目を向けた営業展開を期待したいと思います。

「海老仙」の加茂仙一郎様、スタッフ他関係者の皆様のご協力に心から感謝いたします。

 



お土産の甘鯛を実際に自宅でいただきました。身が閉まっていて脂の乗った甘鯛の味わいは、旨味と甘みが際立っておりとても美味しかったです。これならお店でしか出会えない高級魚も自宅で簡単に楽しめると思います。

 

 

 

今回の参加者は以下の皆様

内田祥三 新中国料理ムーラン(浜松三ツ星会会長)
林竜二 ホテルオークラ(浜松三ツ星会副会長)
鈴木孝治 ラ・サリーブ(浜松三ツ星会会員)
村山大介 チャイナキッチン翠園(浜松三ツ星会会員)
水沼亜美 四川飯店(浜松三ツ星会会員)
田村泰宏 新東クラブ料理長(浜松三ツ星会会員)
前田哲治 一般社団法人教育関連事業者ネットワーク
西尾真 株式会社 間渕商店
杉原佳織理 株式会社 間渕商店
町田周平 ソルトドットコム (浜松三ツ星会事務局)

 

協力:

■株式会社 海老仙
〒431-0102 静岡県浜松市西区雄踏町宇布8962-5
https://www.ebisen.info

■浜名漁業協同組合鷲津支所
〒431-0431 湖西市鷲津2477-130
http://www.hamanagyokyo.or.jp/index.htm

■浜松三ツ星会
https://www.wr-salt.com/mitsuboshi/