「ちりとてちん」?
実は落語の演目です。三味線の音色から取られた“微妙な”食材(?)「ちりとてちん」。
噺家の目から見た“食”の話題を取り上げてもらいます。さて、どんな話が飛び出すのやら・・・

 

「2023年、アフターコロナのエトセトラを報告?します 11月篇」

 

 清八でございます。毎月、「食」に関する書籍・漫画・DVDなど、主に中古品を探しては買い求め、読んだり、観たりして学習しております。

 それでは、11月分を報告させていただきます。アフターコロナ?なので、いろいろ出かけておりますよ。

 

■「古波蔵保好 著 料理沖縄物語」講談社文庫
(2022.5.13)中古本

 1910年(明治43)年、沖縄県那覇市首里に生まれ、戦前戦後を通しジャーナリストとして活躍され、新聞社を定年退職後は評論家、エッセイストとして活躍された著者による沖縄の味を紹介されたエッセイです。

 99~103頁の「ゆし豆腐って何?」では、「つまり豆腐をつくるには、まず水にふやかした大豆を水とともに臼で挽く。カスを濾し、流動体になったのを鍋で炊いて、ニガリを加えると、その作用で、豆腐と煮汁とに分離する。豆腐といっても、まだ白いフワフワの状態で、煮汁の中に泳いでいるのだが、これを型に入れ、布で濾し固めると、豆腐としてのできあがりだ。豆腐に固める以前の白いフワフワと煮汁といっしょに汲みとったのが、要するに『ゆし豆腐』である。」実にわかりやすい説明になっています。私の奥さんの妹が糸満市で結婚して在住なのですが、30年以上前、現地での結婚式のホテルでの朝食会場で初めて食しました。真に美味で、又、二日酔いの朝には胃に入るんです。

 136~142頁の「真白い落花生豆腐」では、「沖縄の人たちは、落花生を『地豆』という。地面の下で実が育つから、『地豆』と呼ぶことにしたのであろうが、沖縄風にいうと『じいまあみ』だ。」そうです。食堂とかお土産物屋さんに書かれている「ジーマーミ豆腐」の事です。これも泡盛の肴として定番です。(画像①)

 


(画像①料理沖縄物語)

 

 

■「安倍夜郎 著 深夜食堂22」小学館
(2019.10.5) 中古漫画本

 今回のお品書きは、「ドライカレーと福神漬け」「煮込みハンバーグ」「おでんのじゃがいも」「白菜とホタテのクリーム煮」「イチゴと練乳」「かき餅」「親子丼のあたま」「カツサンド」「ホーレン草とツナの和え物」「ゆかり」「さば缶」「鯛づくし」「深川めし」「豚パラ串と柚子こしょう」でした。

 25~34頁の「おでんのじゃがいも」。ご常連の実家、地方によっておでんのネタが異なりますがが、別の日に来店したお客さんが、そのじゃがいものおでんを懐かしがっていたので、それぞれに郷里を聞いたら、小学生の時の同級生だったというお話でした。

 45~54頁の「イチゴと練乳」。たまたま、イチゴを食べる時に練乳を頼んだ、まったくの赤の他人の男女が一緒に暮らすことになった、というお話でした。静岡県って、私の子供の頃からイチゴは八百屋さんで買えたので、実家の親は旬の時期には食べさせてくれたんだけど、練乳なんて無かったし、砂糖を濃いめに溶いて食べさせてくれた記憶があります。(画像②)

 


(画像②深夜食堂)

 

 

■「山本雅也 著 キッチハイク!突撃!世界の晩ごはん」集英社
(2017.4.30) 中古本

 11月19日、現物は豊橋まちなか図書館で発見。古書店で見つけて購入出来ました。著者は、大学卒業後、2007年に広告代理店に入社したものの満たされず、2012年に退社、2013年から2014年にかけて「あなたのおうちでごはんを食べさせてくれませんか?」と世界を回り、当時の「BRUTUS」に連載されていた内容に大幅加筆して出版され、当時はかなり話題になっていたそうです。「キッチハイク」とはもちろん造語ですが「世界の家庭のキッチンをヒッチハイク=キッチハイク」なんだそうです。

 巻頭の写真では、バンコクでは「トムヤンクン、豚肉のスープ、ソムタム、ライス」。オーストラリアのインヴァロックでは「ラムのオーブン焼き、ブロッコリーのホワイトソース、カボチャとジャガイモのグリル、チーズ、赤ワイン」。ブルネイでは「牛肉と青菜炒め、川魚の焼き物、チキンカレー、プルパンガン、桜海老の塩漬け、茄子のスープ、小豆ごはん、アンブヤット」などが紹介されています。

 41~45頁の「ノラとジャック夫妻の食卓」本文では、ニュージーランドのロトルアの老夫婦家庭で、鶏のグリルとビーフシチューをご馳走になった後、日本の「温泉卵」を説明するも全く理解されない。そこで自作して試食という流れになり、翌日、中央公園の泥温泉で実演となったが、ネットも柄杓もない。そこで履いていた靴下を脱ぎ、洗わずにそのまま卵を入れて泥温泉に沈めて1時間後取り出してみて試食タイムとなりました。ご自宅のキッチンで割ってみると硬さもちょうどのゆで加減、塩を振ってマダムに試食していただくと……「これは、ただのゆでたまごね」というオチでした。

 48~52頁の「アマル一家と親戚の食卓」本文では、ブルネイのセレブ一家との夕食なんだけど、「アンブヤット」が登場します。これは、サゴヤシの幹から採れる粉にお湯を加えて掻き混ぜ、水あめ状にしたもので無味無臭との事。桜海老の塩漬けや小海老の塩漬けなどにちょこんとつけて食べる説明がありました。ブルネイの食文化でも珍しい食べ物で、でんぷんに水を加えた、やわらかいお餅の触感だそうです。こんな調子で、殆どの日本人は知らない世界の一皿、香辛料、調味料が続々と紹介されていきます。かなりのボリュームです。「人は何を食べてきたのか?今、何を食べているのか?」いやぁ、まことに面白い貴重なレポートですね。(画像③)

 


(画像③キッチハイク)

 

 

■「ボブ・ホルムズ著 風味は不思議」原書房
(2018.3.26) 中古本

 これも、同日に豊橋まちなか図書館で発見。古書店で見つけて購入出来ました。アリゾナ大学で進化生物学の博士号を取得された博士による「風味」の徹底解剖でした。「おいしい」「まずい」って科学的には、どう解明されているのか、という報告書でした。

 97~117頁の「第3章『痛い』はおいしい――痛覚・触覚」には、「四川山椒」の科学的検証が書かれていました。「詳細はまだわかっていないが、花椒の辛味成分サンショオールは神経細胞のカリウムイオンの流れを遮断するらしい。その変化によって神経の活動が抑制されるため、結果的にサンショオールは神経をばらばらに興奮させることになる。この神経のじたばたが、花椒のプルプル感のおもな原因だろう。製薬会社は鎮痛薬開発のためにこれと同じカリウムチャネルの研究をしているが、実際、花椒を食べて一五分から二〇分するとブルブル感はしびれに変わり、それがふたたび一五分ほど続く。シモンズは、このしびれがトウガラシの痛みをある程度遮断することをあきらかにした。花椒を料理に使うようになったのはそうした効果も理由のひとつではないか、とシモンズは推測する。

 こんな感じで科学的な検証が続けられていきます。ご興味のある方は、ぜひ、お読みください。(画像④)

 


(画像④風味は不思議)

 

 

■「ミーナ・ホランド著 食べる世界地図」エクスナレッジ 
(2015.4.15) 中古本

 これも、同日に豊橋まちなか図書館で発見。古書店で見つけて購入出来ました。イギリスのフードジャーナリストが39カ国の料理(食べ物)を紹介しているエッセイです。それぞれの国の歴史、食文化、異国の味についての膨大な資料となっています。

 313~322頁は、日本の食についてです。「日本料理の特徴は、色と味のバランスがとれていること。どちらも5種類(五味・五色)ずつで、色は赤、黄、緑、黒、白、味は甘味、酸味、苦味、塩味、うま味(辛味を加える場合もある)。食べ物の色は調理法とも関係する。たとえば、黒は乾燥させたわかめや焼き茄子。赤はイクラやにんじん。こうした食卓や弁当箱の彩りは、栄養のバランスだけではなく見た目の美しさを重んじる日本人の心の現れなのだ。」

「味について言えば、日本人の最大の功績はうま味を発見したこと。うま味は、おそらく日本料理で最も大事な要素だろう。5つの味の最後のひとつ、グルタミンは、海外でもよく知られるようになったが、甘味、酸味、塩味、苦味にくらべると、いまでも舌で区別するのは難しい。うま味は、口の奥にある味覚受容体を刺激して、もっと食べたいと思わせる。もちろん日本人だけの感覚ではない。けれど日本料理は、このうま味をほかの国よりも積極的に活用している。これぞわが国の味という自負もあるのだろう。」(画像⑤)

 


(画像⑤食べる世界地図)

 

 

 11月は、学園祭に3週連続で伺いました。11月4日(土)は、常葉大学浜松キャンパスでの「第9回常大浜松寄席」でした。この寄席ですが「地域貢献事業」と位置付けられています。もう時効?なので書きますと、浜松キャンパスが開学されてしばらくは、アクセスが悪く、新入生も含めて車での通学が増えたそうです。18歳で入学ですから、当然、初心者マークです。かなりの頻度で、農免道路から脱輪したり、田畑に落ちたりしたそうです。それを、都田の方たちが親切に処理をしてくれたと伺いました。せめてものお礼という事で、学園祭の日に寄席を企画、開催して入場料無料とされたのが始まりです。今回は、当本果寺寄席のご常連、瀧川鯉昇師匠、そしてお弟子さんの春風亭柳雀師匠、瀧川鯉三郎さん、ゲストは「ザ・ニュースペーパー」から松下アキラさんと土谷ひろしさんでした。早めに楽屋訪問して全員にご挨拶することが出来ました。ザ・ニュースペーパーの社会風刺コント、トランプ・バイデン・プーチン・プリゴジンのネタ、絶対にテレビ放映はNGでしたね。(画像⑥)

 


(画像⑥第9回常大浜松寄席)

 

 11月11日(土)は、コロナ禍から何年かぶりの静大浜松キャンパスでの「テクノフェスタ」に行ってきました。午前中のイベント、研究室の公開が少なかったため、フリーマーケットを廻りました。髙柳藍染のテーブルクロス、会津塗りの「鉄仙」、ワイングラス6個、春慶塗り盆、そして小鉢4個と、おなつめのような容器?全部で420円也!言って良かったです。なお、この日は、鴨江アートセンター駐車場に車を停め、往復ウォーキングでした。(画像⑦⑧)

 


(画像⑦⑧テクノフェスタ)

 

 11月18日は、またまた、鴨江アートセンター駐車場からウォーキングで、静岡文芸大学での「まぼろし祝祭 天竜横山の神遊び」へ。廃仏毀釈の史実を聞き、南信州・坂部の冬祭りの実演を観させていただきました。御油から秋葉山までの山道ルート、、三遠南信道文化のルーツなどなど、初めて知ったり、長年の疑問が解けたり、有意義な半日でした。ありがとうございました。(画像⑨⑩)

 


(画像⑨⑩まぼろし祝祭 天竜横山の神遊び)

 

 

 日にちは前後しましたが、11月12日(日)は私がお手伝いさせていただいている、新居関所近くの元芸妓置屋「小松楼まちづくり交流館」での「お茶会」を開催出来ました。この企画は、今年度が「東アジア文化都市2023静岡県」という事で、「ふじのくに文化財オータムフェア」及び湖西市役所からの依頼で、今年の大河ドラマに関連してのイベントとして企画、この「ちりとてちん 別冊」にも掲載していただきました。家康公が駿府での大御所時代、ご愛飲されていた駿府の「本山抹茶」を使って、立礼での「お茶会」でした。初めて経験された方、どんな味わい?と市外から来られた方、大人45名、小学生1名、喜んでいただけたようで、準備から5カ月、ほっとしました。(画像⑪⑫)

 


(画像⑪⑫小松楼まちづくり交流館でのお茶会)

 

 

 そして、「ちりとてちん 別冊」に掲載していただいた、もう一つの企画、「第97回本果寺寄席 瀧川鯉昇の会」を11月26日(日)、開催出来ました。今回は、鯉昇師匠のため、これまでのイス68席を78席で9月24日から予約受付を開始しました。ところが、1カ月後の10月26日には80名に達してしまいました。お席亭の御住職にご相談して、イス席80+座布団席20席にして、ご常連、スタッフには座布団席に座っていただくようお願しました。結局、ご予約103人(うち小学生2名)まで拡大したのですが、インフルエンザの流行の影響からか、10人がキャンセル、結局、大人93人、小学生2人の大入り満員となりました。当日の演目は、喜六家清八「看板のピン」、瀧川鯉昇「二番煎じ」「餃子問答」でした。

 拙宅での打ち上げには、豊橋・フラスカティのシェフ手作りの賄料理が並べられ、師匠・スタッフ全員大満足の一夜となりました。本当に、おつかれさま、ありがとうございました。(画像⑬⑭)

 


(画像⑬⑭第97回本果寺寄席 瀧川鯉昇の会)

 

 

 さて、今回はもう一つ書かせていただきます。11月28日(火)、浜松三ツ星会の勉強会で藤枝の「クレアファーム藤枝オリーブ園」見学会に参加させていただきました。4ha約2000本の収穫後のオリーブ園を見学、西村社長さんから立ち上げからの秘話、経営方針、事業展開など90分にわたるお話を伺い、オイル5種類のテイスティングの後、特製ランチをいただきオイルの違いをさらに確認、お土産として「柚子胡椒の食べるオリーブオイル」「オリーブ・ティーパック」までいただきました。ありがとうございました。県内では、いろいろな場所でオリーブづくりが展開されていますが、参考になりました。(画像⑮⑯⑰⑱)

 


(画像⑮⑯⑰⑱クレアファーム藤枝オリーブ園区)

 

 

2023.12.20 清八



38年間、お付き合いしている長野市戸隠の森の喫茶店です。


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