季節によって、わたしたちにいろいろなおいしさを味わわせてくれる料理。 そんな料理を味わう時に一緒に飲むワインにも、季節があります。
「食」と「ワイン」の関係を大切にしているソムリエ、南竹栄子さんが、そんな季節を感じさせるワインを紹介してくれます。

 南フランスのカルカソンヌ周辺で栽培されている葡萄に、モーザックという品種があります。フル ーティーで酸味のある個性をもっていますが、シュール・リという製法によってそこに香味とさわや かさを加えています。
 ワインを作る時に出る澱(オリ)は、すぐに取り除いてしまうのが普通ですが、シュール・リ(オリの 上にという意味)の場合5ヶ月以上そのまま放っておきます。澱に含まれる成分をうまく利用し て、ワインの味をワンランクあげようという手法のひとつです。

 モーザックは、フランスで一番古いといわれている発泡性ワイン「ブランケット・ド・リムー」に 使われていたぶどうでしたが、シャンパーニュが登場してからは長い間、見向きもされませんでし た。近年、発泡性ではなく白ワインとして、その良さが見直されてきています。

 魚介類ならなんでも、肉なら鳥肉料理と相性がいいのですが、このワインのもうひとつの個性がボ トルなのです。  このボトルの色をなんと表現していいのか、深い青、深海の青、シャルトル・ブルー(シャルトル 大聖堂のステンドグラス)、ジャン・レノの「グラン・ブルー」の色・・・引き込まれそうなあおいろの ボトルが初夏のテーブルにスックと立っているだけで、まわりがさわやかさに包まれます。


 
Profile みなみたけえいこ
91年全国でも女性は1割というソムリエ資格を取得、浜松初の女性ソムリエとして話題を呼ぶ。
浜松市佐鳴台でシェフのご主人とフランス料理レストラン・エピファニーで、マダム役とソムリエ役の2役をこなしている。舞阪出身。

感想やご意見はメールで epiphanie@wr-salt.com



| OtherNumber 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 | エピファニーのページへ | ホームへ |



Copyright © 2024 Salt.com All rights reserved.