季節によって、わたしたちにいろいろなおいしさを味わわせてくれる料理。 そんな料理を味わう時に一緒に飲むワインにも、季節があります。
「食」と「ワイン」の関係を大切にしているソムリエ、南竹栄子さんが、そんな季節を感じさせるワインを紹介してくれます。






 今回はジュラ地方、アルボワのワインです。
と説明を始めても、この地方名はあまりなじみが無いと思います。 スイス国境に位 置するジュラ地方は、ジュラ紀の地層が見つかったことで地質学的には大変有名です。
 この地方のワインは、他のどの地方のワインとも似ていなくて、「生のくるみ」の香りを持っています。
最も有名な黄色いワイン「ヴァン・ジョーヌ」はサヴァニャンという品種から造られ、オークの木樽で6〜7年間、酸化させながら寝かせます。シェリーのような味わいのワインです。今回ご紹介するワインは、品種は同じサヴァニャンですが、寝かせずに普通 に造られます。それでもシェリーのような香りがするのです。
  この独特のテイストが生まれる大きな要素には、空気中に漂う酸化を促す菌の存在があります。
ワインの性質に影響を与える菌の存在は、シャンパーニュ地方や、シェリーの生産地スペインのヘレス地方が有名です。
 ジュラ地方のワインは味や香りが特異なため、他の地方や、パリのレストランでもあまり見かけません。
そんなワインをなぜ紹介するのかというと、シェフが修行したのがこのアルボワの二つ星レストラン「オテル・ド・パリ」だからです。以前はこの地方のワインを扱っている輸入業者は1〜2社だったのですが、最近増えてきたおかげで日本のレストランでも時々見かけるようになりました。
ジュラ地方・アルボワの「ホテル・ド・パリ」にて1978年。
左端が若かりし頃のシェフ...
ヒゲをはやしていたんですねー^^。
     


Profile
みなみたけえいこ
91年全国でも女性は1割というソムリエ資格を取得、浜松初の女性ソムリエとして話題を呼ぶ。
浜松市佐鳴台でシェフのご主人とフランス料理レストラン・エピファニーで、マダム役とソムリエ役の2役をこなしている。舞阪出身。

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