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今回はワインではなくアニス酒のお話です。
食前酒としてフランスでは最もポピュラーなのがパスティス、リカール、ペルノーといったリキュールです。いずれもアニス(ういきょう)を中心に
各種の香草を取り合わせて香りをつけてあります。
初めてパリのレストランへ出かける前に、近くのバーに立ち寄ってこのお酒を飲みました。グラスに緑色の液体が少し入っています。一緒に水が運ばれてくるのでそれで割ると、液体は瞬時に白濁します。その色の変わる様に驚き、おそるおそる口に含むとその強烈な匂いにまた驚いてしまいました。
消毒薬でも飲んでいるような匂いで、2口目が飲めないのです。
ところがこのお酒も、今のような暑い時に氷を入れて溶かしながら飲むと、病み付きになる美味しさなのです。ベル・エポックの時代、モディリアーニやユトリロが、いつもこの酒で飲んだくれていたのもわかるなー(笑)。もっともこの時のアニス酒はアプサントで、製造は禁止されました。現在は南仏を中心に上記のものが広く飲まれ、親しまれています。
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