季節によって、わたしたちにいろいろなおいしさを味わわせてくれる料理。 そんな料理を味わう時に一緒に飲むワインにも、季節があります。
「食」と「ワイン」の関係を大切にしているソムリエ、南竹栄子さんが、そんな季節を感じさせるワインを紹介してくれます。



 写真の中でもひときわ目立つ「トゥール・オー・コサン」。ぶどう畑の中に風車が描かれています。18世紀のメドックは、自給自足のための穀物栽培をおこなっていました。この辺りには150以上の風車があり、それで穀物を挽いていたのです。
 トゥール・オー・コサンの作り手であるフィリップ・クリアンは、バ・メドック地区では良いワインは出来ないといわれていたこの地で、あくなき挑戦をし続け、ついに目をみはるようなワインを作りあげたのです。村の象徴でもあった風車を畑の中に再建したのも、自分の生まれ育った土地への愛情の表れでしょう。

 「風土は人間が造り出すものである。」国内でワインを作られている方から聞いた言葉です。ボルドーやブルゴーニュが、もともとワイン作りにとって、地球上で最適の場所だったのでありません。人間が気の遠くなるような年月をかけて、最適の土地になるよう努力した結果 なのです。フィリップ・クリアンも、この言葉を実践させた一人と言えるでしょう。

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Profile
みなみたけえいこ
91年全国でも女性は1割というソムリエ資格を取得、浜松初の女性ソムリエとして話題を呼ぶ。
浜松市佐鳴台でシェフのご主人とフランス料理レストラン・エピファニーで、マダム役とソムリエ役の2役をこなしている。舞阪出身。

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