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写真の中でもひときわ目立つ「トゥール・オー・コサン」。ぶどう畑の中に風車が描かれています。18世紀のメドックは、自給自足のための穀物栽培をおこなっていました。この辺りには150以上の風車があり、それで穀物を挽いていたのです。
トゥール・オー・コサンの作り手であるフィリップ・クリアンは、バ・メドック地区では良いワインは出来ないといわれていたこの地で、あくなき挑戦をし続け、ついに目をみはるようなワインを作りあげたのです。村の象徴でもあった風車を畑の中に再建したのも、自分の生まれ育った土地への愛情の表れでしょう。
「風土は人間が造り出すものである。」国内でワインを作られている方から聞いた言葉です。ボルドーやブルゴーニュが、もともとワイン作りにとって、地球上で最適の場所だったのでありません。人間が気の遠くなるような年月をかけて、最適の土地になるよう努力した結果
なのです。フィリップ・クリアンも、この言葉を実践させた一人と言えるでしょう。
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