「ちりとてちん」?
実は落語の演目です。三味線の音色から取られた“微妙な”食材(?)「ちりとてちん」。
噺家の目から見た“食”の話題を取り上げてもらいます。さて、どんな話が飛び出すのやら・・・

「わいわいワイン会から雪うさぎの噺になりました」

 清八でございます。

 拙宅で、年三、四回続けている「わいわいワイン会」の28回目を12月11日に開催できました。今回のテーマは、ブイヤベースとチリ・スペイン・ポルトガルワインのコラボとしました。チリワインの基本情報については、「ちりとてちん・その96」に書かせていただきましたので今回は省きますが、くわしくお知りになりたい方は、「ヴィノテーク」11月号に坂本雄一氏が「注視され始めたチリワイン+アルゼンチンのテロワールを地質学的視点から探る」として26ページに渡って掲載されていますので参考にして下さい。坂本氏は拙宅でのワインを準備していただいている高山市(合併前の久々野町)内の坂本酒店のジュニアです。実は、彼は東海大学大学院で学ばれた海洋地質学修士なのです。実家を継がれてから、ドイツワイン研修に参加、現地でのワイナリーや商社、見本市等では葡萄畑の地質について専門的なQ&Aを展開、これまでの日本人バイヤー、コンセイユとは別の視点で顧客を育ててくれています。昨年、英語版の「テロワール」(JAMES.WILSON著)を監訳、あの田崎真也ワインサロンの講師に迎えられているのです。
 *ワインリスト*

 さて、ワインのうち、ポルトガルワインですが、国内にはポルトガル料理レストランが少ないこともあってか、まだまだお馴染みではありません。実は、二年程前に、懇意にさせていただいているブリュッセルの稲田さん(INADAのオーナーシェフ)と国際電話をしていた際に、現地の商社がポルトガルワインを日本に売り込みたがっているが感触はどうかと、尋ねられたことを思い出しました。今回のバガ・レッドは当日の6本目にしてしまったので、少し重く感じましたが、肉料理や鍋料理にはフランスワインよりも日本人向きのように感じました。佐渡ブイヤベースは、佐渡市水津漁業協同組合が展開している日本海魚介類の販促プロジェクトから生まれたヒット商品で、今回、取り寄せてみました。

・当日のメニューです
玄関の飾りつけ(少し早いですがクリスマスの準備です) ー(写真①)
佐渡ブイヤベースー(写真②)
牛肉と玉葱と牡蠣とキノコのすき焼きとチーズの盛り合わせ(ゴルゴンゾーレ&マスカルポーネ、ランゴドール、ゴールドラウヒスモーク、クリームチーズ)ー(写真③)
ニンニク肉味噌をつけた蕪の刺身

     
写真①
写真②
写真③
     

「坂本酒店」http://waiwai-wine.com
SadoKitchen http://www.sadokitchen.net

 前回までで100席、しょうもないコラムにつきあっていただきまして、ありがとうございました。お詫びと、来年以降のご愛顧に期待致しまして、「雪うさぎ」という小噺です。

 昔は、「雪うさぎ」と言いまして、黒い丸盆の上なんかに雪を盛って、うさぎの形をつくりまして、赤い南天の実を目にして、南天の葉を二つ刺して耳に見立てました。ある幼い姉妹がこの雪うさぎを拵えましたな。「お姉ちゃん、できたで。きれいやろ」「うん、ホンマにきれいやなぁ。これ、お母ちゃんに見てもらお」「お母ちゃん、うさぎさん出来てん、うさぎさん見て、なぁ、うさぎさん見て…」「ごめんなぁ、今、洗濯もん、干してるさかい…」「そんなこと言わんと、見てぇな!」こない言うて無理やり引っ張っていきますと、お日ぃさんが当たって溶けてしもうたんですな。「どこに、うざきさん居てんの?」「ここに居てるがな…、あっ、お母ちゃん早よ来んさかい、うさぎさんオシッコして逃げてしもたわ」

 古くからの落語には、こんな噺も残ってるんですよ。凄いと思いませんか。それでは、来年も良い年になりますように。厄、払いましょ、めでたいのんで払いましょ。

2011.2.2


38年間、お付き合いしている長野市戸隠の森の喫茶店です。


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