清八でございます。ごぶさたでございます。
暑さ寒さも彼岸まで、てな事を言いましたが、ホンマに朝晩は涼しくなってまいりました。
3.11の夜から被災地支援と脱・原発のサイトを覗くことが日課のようになってしまいました。また、この半年間は学生時代よりも原発や放射能に関する勉強をしてきた日々でした。実は、私は20代から30代前半にかけて地方公務員をしておりました。毎年の防災訓練では本部担当の経験もあり、炊き出し訓練では、飯盒炊さん・竹筒炊さん、アルファ米、乾パン生活など実際に体験させていただきました。今回、被災地へボランティアとして行きたかったのですが、いろいろな事情(言い訳になりますが)で行けませんでした。ごめんなさい。
この「ちりとてちん」で取り上げるテーマではないのかもしれませんが、他のサイトでも掲載されていないようなので、今回、書かせていただきます。震災から三ヶ月間位ですか、炊き出し隊とか芸人による支援食の出前やプロのシェフ・料理人さんたちによる災害ボランティアが取り上げられておりましたね。みなさん、善意の行動ですから多少の不具合があっても仕方の無いことでございました。例えば、高給食材をふんだんに使った料理、業務用の調理機材を持ち込んで、お店の厨房と同じ感覚で作られた料理、後になっていろいろと問題点を指摘できるのですが、実際に現地で行動できなかった者としては、ただただ、ありがとうございましたの言葉しかありません。
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これまでの「ちりとてちん」で何度か報告してきましたが、私は素人の噺家ですが、他の 趣味として山歩きとベルギービールやワインを楽しむことがあります。山歩きのお仲間とは年に数回「わいわいワイン会」を開いてきました。当然、山歩きでもランチは現地で料理したり、「わいわいワイン会」の肴も自分たちで料理したり調達してきました。こうした仲間たちとの会話で、もし自宅または周辺で被災した場合、救援に来ていただけるまでの3日間から一周間をどのように過ごすか、が常に酒の肴となります。皆さんの答えですが、自宅内にある食材を持ち寄って、山で自炊する道具を使って料理してお互いに助け合おうです。もし、アルコール類があれば、夜は飲んで寝てしまってもかまわないとの意見もあります。どうしても避難所に行かなければならない状況になっても、その現場にある食材を使って何か工夫してみようと考えております。こうした個人的な思いでネット検索してみると、「災害食」というフレーズが目につくようになってきました。全国の日赤奉仕団、婦人会、栄養士さんのグループ、アウトドアのグループ、いろいろな立場で考えられていることがわかりました。乾パンや缶詰、カップ麺ではなく、あらかじめ保存食としてつくっておけるお菜のレシピもありました。例えば、山間地ではキノコや蒟蒻を煮詰めた「煮味噌」、海岸地では焼き魚の身や海藻類を煮詰めた「煮味噌」があります。避難所に配給されるおにぎりや弁当のご飯をチャーハンや雑炊に変える。そうめんと缶詰のツナでツナ・パスタに変える。レトルトカレーと乾麺でカレーうどん・カレーそばにする。私の独断と偏見で調理のポイントをまとめますね。
①その場にある材料で臨機応変に対応する。
②賞味期限の日付ではなく、臭いや色・感触で判断する。
③食材や水は有効に無駄なく使う。
④冷蔵庫が使えない場合の食材の保存方法を知っておく。
⑤洗い物自体を少なくする。
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プロの栄養士さん、フードコーディネーターさんでしたら、もっと上手な表現をされるんでしょうね。フードコーディネーター協会では、発泡スチロールの器では気の毒だから、一汁一菜の器を提供する活動を始められたそうですが、私の個人的な思いとしては、プロが考えられる「災害食」のレシピをネット上で公開していただけないでしょうか。協会として無理なら個人のレベルでかまいません。もし、このコラムを読んでおられましたら、考えてみて下さい。
ところで、5月24日の日本経済新聞に発酵学者の小泉武夫博士が「非常時の食生活」を書かれていたのですが、ご存知だったでしょうか。博士は福島県のご出身だからこそ、昔ながらの日本人の食べ物である「炊いた飯」と味噌・醤油・豆腐・納豆などの大豆の加工品、そして海藻・干物・煮干、根菜類・果物を勧められておりました。「炊いたご版」を丸く握った「おむすび」ですが古来「産霊」と言って霊力のある食べ物なんだそうです。勉強させていただきました。実は、この小泉博士が名誉会長を務められる「食に命を懸ける会」の会員、余呉町の「徳山酢」に行けることになりました。次回の「ちりとてちん」でご報告させていただきますので、今回は落ちの無い話で、ごめんなさいです。
2011.9.10 |