清八でございます。毎月、「食」に関する書籍・漫画・DVDなど、主に中古品を探しては買い求め、読んだり、観たりして学習しております。それでは、11月分を報告させていただきます。「第100回本果寺寄席」のご報告もあります。
■小泉武夫著「小泉武夫の料理道楽 食い道楽」日経ビジネス人文庫(2008.2.1) 中古本
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2005年11月に日本経済新聞社から刊行された単行本の文庫本でした。
「Ⅰ 珍しいもの 美味いもの」「Ⅱ 海の幸を楽しむ」「Ⅲ 料理いろいろ」「Ⅳ 山の幸に感謝」「Ⅴ 甘党辛党」「Ⅵ 大切なもの 残したいもの」の6章で構成されている。141~142頁に「カキフライ丼」が紹介されていた。「‥この丼のつくり方はいたって簡単。ほぼカツ丼と同じである。ダシ汁に砂糖少々と醤油を加え、それを平鍋にかけて煮立て、そこにカキフライを五個ぐらい入れて少しグツグツと煮る。ころあいを見はからって、鶏卵一個を溶き、その上からドロリとかける。そして、卵がややかたまってきた時に火を止め、丼に盛った飯の上から、その卵で綴じたカキフライを上手にかぶせ、上から微塵に切った三ツ葉をパラパラと撒いて、どうぞ召し上がれ、である。‥」
浜松、浜名湖周辺で「牡蠣カバ丼」が競うように展開されて15年目なんだそうです。諸物価高騰とはいえ、税込み1,760円、1,800円、1,980円となってしまったのは、如何なものかと、私は考え込んでしまうのです。
254~255頁は「油揚げの素焼き」でした。「‥焼いた油揚げにショウガ醤油は実に似合うが、大根おろしで楽しむのを忘れては困る。この場合は、焼き上げた油揚げに大根おろしをまぶすのではなく、油揚げを箸でちぎって、それに醤油をかけた大根おろしを絡めるようにして食うというのがよろしい。まぶしてしまうと、油揚げが大根おろしの水分を吸って、ヘタヘタとなってしまうから駄目だ。使う大根は普通の青首でよいが、できれば辛みの強いものを使うと実にいい。‥」
都田の「勘四郎」さんには、ランチに「焼きたて油揚げ」がありますが、薬味はしょうゆ麹としょうが、大根おろしでしたね。(画像①)
(画像①小泉武夫の料理道楽 食い道楽)
■小泉武夫著「小泉武夫の美味いもの歳時記」日経ビジネス人文庫(2008.12.25) 中古本
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162~164頁は「超うま丼二種」でした。一つ目は「玉子焼きのトマトソース掛け丼」「‥フライパンに油を敷き、溶いた生卵を流しい入れ、フワフワの玉子焼きをつくる。それを丼に七分目ほどに盛った飯の上にのせておき、空になったフライパンに今一度油を滴してから、ニンニクの微塵切りとトマト(皮と種を取りのぞき、粗く切ってぐじゃぐじゃにしたもの)を加えて炒める。そこに出汁、塩、胡椒などを加えて好みの味にし、水溶きかたくり粉を上からかけてとろみをつける。それを丼の上の玉子焼きにふっかけて、グリーンピースを数粒まいて出来上がり。‥」
二つ目は、何と「アジフライ丼」でした。「‥自分でフライをつくるもよし、デパートの地下食品売り場で買ってきてもよいが、アジフライを丼に盛った熱い飯にのせ、その上にテーブル胡椒をパッパッパッパッとやや多めに振り、最後に醤油をサッと滴らして出来上がり。‥」
私は、もうずいぶん前から、自宅のランチで、「かけうどん」と「アジフライ丼」を作って食べてきました。近くの地元スーパーで生うどんとアジフライを買ってきて簡単にできますから。(画像②)
(画像②小泉武夫の美味いもの歳時記)
■アエラ編集部編「現状の脇役」新潮社(1991.9.20) 中古本
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湖西市・新居図書館からいただいたリサイクル本の一冊で、「あらい町立図書館」のゴム印が押されています。1988~1990年、週刊誌「アエラ」(朝日新聞社)のノンフィクション・シリーズ“現代の肖像”として発表されたなかからの選出・編集による単行本でした。101~112頁は「花田憲子さん 土俵の夢一筋の藤島親方夫人」でした。
「‥八時になると、その日のちゃんこ当番の若い力士が、ちゃんこの準備を始める。部屋の電話が鳴り始めるのもこの時間帯だ。おかみさんの一日の始まりである。まず親方への電話。相撲協会からの連絡。後援者からの電話。有望な弟子がいるという情報の連絡。力士たちの家族や友人からの電話もある。電話の合間を縫って、おかみさんは、二階のちゃんこ場にも顔を出さないといけない。ほとんどの弟子は、入門するまで料理などしたことがない。兄弟子からも教えてもらいながら覚えていく。だが、兄弟子も少し手の込んだ料理になるとお手上げだ。たとえば、ハムステーキのソースのようなものになると、おかみさんが教えてやらないといけない。‥」(画像③)
(画像③現状の脇役)
■坂上暁仁著「神田ごくらく町職人ばなし」リイド社 (2024.3.29) 中古漫画本
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出版社コミック担当が選んだおすすめコミック2024の第1位となった漫画なのですが桶職人、刀鍛冶、紺屋、畳刺し、左官、いずれも女職人の仕事を通して描かれている江戸の風情でした。ネット上では、「何で、すべて女職人?」のご感想もあったが、違和感なく理解できました。今だから世に出てきた作品の一つなんだと思います。ぜひ、小学高学年の女性全員に配布したいです。
職人仕事の場面が丁寧に描かれていて、飲食の場面は少ないのですが、5~17頁の「其の一 桶職人」の中に、箍が外れかけている桶を直す場面が描かれていた。木片が干上がってしまった桶は、しばらく水につけておけば直るという。女職人の言葉「おぼえときな。木ってのは生きてるんだ。こんな風に細切れになってもね。‥要は使い方だよ。大事に使えば百年だってつかえる。‥」(画像④)
(画像④神田ごくらく町職人ばなし)
■「暮しの手帖 第33号」(2024.11.25) 新刊本
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32~41頁の特集は「湯宿さか本 冬の味」でした。「カキと大根の水餃子」「百合根のくるみ合え」「ピリ辛こんにゃく」「はす蒸し」「子芋の天ぷら」「鮭の炊き込みご飯」のレシピが紹介されていました。
168頁の「編集者の手帖」によれば、「‥今号の特集『湯宿さか本 冬の味』の撮影で訪れたのが9月12日、それから10日もしないうちに、珠洲市や輪島市などは豪雨による土砂災害に見舞われました。‥避難所に使われているのは、海辺にある『珠洲市自然休養村センター』。1月の震災後まもなく、およそ60人の住民の方たちが寝泊まりしました。‥この避難所では、一人ひとりができることを持ち寄り、緩やかなルールのもとで寄り添って、日々に楽しみを見いだしながら過ごしているように見えました。誤解を恐れずに言えば、それは『暮らしの原型』のようにも思えたのです。‥」
104頁の「暮らしのヒント集」から、「元旦に、一年の無病息災を願って飲む『大福茶』。結び昆布や梅干し、黒豆などを入れる、寿ぎのお茶です。心を込めて淹れて、大切な人と一緒にいただきましょう。」「年齢とともに背負うものが増えるからこそ、軽やかに生きたいものです。鼻歌でも歌いながら、『なんとかなるさ』の精神で。」(画像⑤)
(画像⑤暮しの手帖)
2024年11月24日(日)、「瀧川鯉昇・鯉三郎親子会」として、100回目の本果寺寄席を開催出来ました。今回、郵便料金の値上げを考慮して、8月31日にD.M.を発送、9月1日からご予約開始としてところ、10月19日で80名様のご予約となりました。お席亭のご住職に相談、定員を90名様に増やしましたが、11月1日には90名様ご予約となりました。ここで、ご予約を止めたのですが、古くからのご常連様から「座布団席でも、立ち見でも構わないから」「自分で、椅子も持っていくから」と、お電話が続いて100名様までお受けしました。
当日は、他会場から椅子10脚をお借りし、最前列のみ座布団席10席、椅子席92席で設営出来ました。コロナ禍でなくなって、本当に良かったと思いました。当日の演目は、喜六家清八「代書屋」、瀧川鯉三郎「四宿の屁」「夢金」、そして瀧川鯉昇「芝浜」でした。
鯉三郎さんの「夢金」、鯉昇師匠の「芝浜」の二席は、42年間100回目にして、初めての演目でした。「夢金」が211席目、「芝浜」が212席目となりました。古典落語約300席の2/3を聴いていただけたことになります。
本当に、本当に、ありがとうございました。(画像⑥、⑦、⑧、⑨、⑩)
(画像⑥本果寺寄席を開催)
(画像⑦瀧川鯉三郎)
(画像⑧瀧川鯉昇)
(画像⑨)
(画像⑩)
2024.12.27 清八