清八でございます。
拙宅で、年三、四回続けている「わいわいワイン会」の27回目を5月22日に開催できました。今回のテーマは、飛騨フレンチとチリワインのコラボとしました。実は、ここ数年自宅での晩酌ワインはチリワインのパック「モンテ・スール赤」が定番となっています。値段が一番の理由ですが、カベルネソーヴィニヨン60%、メルロー40%のバランスがとてもよく感じられ飲んできました。また、これまでの沖縄ツアーで地元のスーパーに立ち寄ることが多かったのですが、ワインコーナーにチリワインが多く置かれ、その値段と種類の多さに感心を持っていました。いつもワイン会用のワインをお願いしている高山市の坂本酒店のジュニアが某雑誌の依頼を受け、チリへ研修旅行に行かれるとの情報が入ってきました。あの大地震の後です。現地からのメールも含めて帰国後のワインレポートに非常に期待をしておりました。そこで、せっかくならと坂本酒店内でのワイン会をお願いしたのですが、都合がつかず、鈴蘭高原内のペンションを紹介され「ペンションでわいわいワイン会」が実現しました。メンバーは山歩きの仲間ですので、高山市位山の飛騨匠の道(写真①)を約8キロ歩き、初めてのペンションでの宿泊とワインセミナーとしました。参加者13名でした。
先ずは、チリワインの基本情報です。チリはワイン用の葡萄とワインづくりに適していたのでしょうか。私もチリワインを実際に飲むようになってから勉強したのですが、非常に環境が良い土地なんだそうです。南緯30~40度付近に広がるセントラル・ヴァレリーと呼ばれる地域は地中海性気候で四季の変化があり、ただし、長い夏に降水量が極めて少ない乾燥した長い夏が特徴で昼夜の気温差が20度近くという葡萄の生育には理想的な環境なんです。東をアンデス山脈、西を太平洋、南をパタゴニアの氷河、北をアタカマ砂漠に囲まれ、地形的に隔離された国土は病害虫の侵入を受けにくい土壌となっているというのです。チリでのワインづくりの歴史を読むと、19世紀半ばにヨーロッパ各国で葡萄の木を食べる害虫フィロキセラが大量発生、壊滅的な被害をもたらします。自国で職を失ったワイン職人たちが新大陸に渡り製造工程での品質レベルが大きく進歩するきっかけとなったようです。現在でも、このフィロキセラの被害に遭っていない世界でも唯一の国であるため、150年前にヨーロッパで消えてしまった品種が代々栽培されている聖域のような産地だともいえます。
さて、今回の七種類のチリワインです。スパークリングからデザートワインまで、いずれも初めて体験するものばかりでした。(上の写真②講師の坂本氏)
当日のメニューです。
・飛騨牛そぼろの生春巻き(写真④)
・オードブル(写真⑤)
・蕗味噌焼き豆腐と蕨のたたき乗せ
・チーズと清見町猪の自家製燻製
・クレソンのお浸し
・コシアブラとスモークサーモンの手毬寿司
・コシアブラの佃煮
・自家製ベーコンといろいろ野菜スープ(写真⑥)
・アマゴのフリット山菜乗せ(山ウド・コシアブラ・タラの芽・アズキナ)(写真⑦)
・牛ヒレ肉の赤ワインソースいろいろ野菜添え(写真⑧)
・アールグレイの焼きたてブディング
・コーヒー
今回は、以上に追加で坂本酒店さんからチーズ3種類を持ってきていただけました。ブティアグールという羊のチーズで、花びら状に削って食べるのだそうです。しかも、高山のトラン・ブルーさんのバゲットまで用意していただけました(写真⑨)。トラン・ブルーの成瀬シェフはベーカリーワールドカップ「クーブデュモンド」で世界第三位となられた実力者で、浜松市中区富塚のブーランジェリー・カセルさんのお師匠さんなのです。
今回、鈴蘭高原のペンションYES・NOでの宿泊とワイン会という企画でしたが、用意していただいた料理がどのワインにも合って大満足の一夜でした。翌日は、朝から雨、傘を差しての高山観光となりましたが、早々に移動、坂本酒店でお昼を兼ねての山菜とチーズで昼間のワイン会となってしまいました。運転手さん、ごめんなさいでした。年に一回の、泊りでの「わいわいワイン会」。いつまでも続けたいものです。
「いにしえの匠街道」http://www2.city.gero.lg.jp/HP/mori/kairou/1303inishie.pdf
「ペンションYES・NO」http://www4.ocn.ne.jp/~yesno?
「坂本酒店」http://waiwai-wine.com
2010.6.16 |