清八でございます。余呉町の徳山鮓さんのレポートの第二弾です。
前回では、四品目の「天然鰻の湯引き肝」まで紹介しました。五品目は「夏野菜の天麩羅と一夜干し鮎の素揚げ」(写真⑧)が登場です。夏野菜も素揚げのように衣が薄くて素材そのままをいただいているようでした。もう初秋なので一夜干しとなっているのですが、季節によっては、稚鮎であったり、余呉湖のワカサギであったり、苦味のきいた内臓の鮎だったり
代わるのだそうです。う~ん、それはそれで塩のみで食したい一品だと想像できました。さて、ここでお酒を代えました。これも地酒の特別純米「七本槍」(写真⑨)でした。一本目の「紫霞の湖(しがのうみ)」よりフルーティでしたが、熟鮓には合うと思います。でも、中身が見えない器だと飲んでしまいますね。六品目は「稚鮎の酢漬け」(⑩)が出てきました。天麩羅の次に酢の物で口の中がさっぱりとしました。これも季節によっては、こごみや蕨が添えられるとのことで、これも素敵な組み合わせになると想像できました。
七品目として、「天然鰻の八幡巻き」(写真⑪)が登場です。湯引き、白焼き、湯引き肝、そして、この八幡巻き
で天然鰻のすべてを食することができたのです。前回、書かせていただきましたが、この「徳山鮓」さんは鰻専門店ではありません。「熟鮓」の専門店なのです。八品目、「鱒の蒸しもの」(写真⑫)です。これは京都の懐石料理の一品によくありますが、本当に優しいお味で、まったりしてお出汁の大切さを感じさせてくれる一品でした。そして、九品目に待ちに待っていました「鮒鮓」(写真⑬)の登場です。自分へのお中元として阪神百貨店のサイトから購入して試食していたのですが、やはり素晴らしいの表現しか見つけられませんでした。白く見えるのは「飯(いい)」で、その飯にかけられているのが蜂蜜でした。この飯は、鮒鮓をつくる過程で使われるご飯がペースト上に発酵したもので、一般的なお土産屋さんでは、食べる際、外してくださいと伝えられたため、これまで非常にもったいない食べ方をしたことがありました。この飯は、もともと非常食ですし発酵状態が続いていますから、ぜひ食してみて下さい。この一品だけ、もう一皿食べたいと言ったところ、予約時に伝えて下さいとの事でした。
サイトからの情報では知っていたのですが、十皿目は、何と「熊肉のぞうすい」(写真⑭)が登場です。生姜の効いたスッポンのお出汁にそぼろ状態の熊肉、卵とじにしてありましたので野生臭さも消え、熱々ハフハフでいただきました。ジビエの季節には、熊鍋になるのだそうで、これはこれで興味が湧きました。そして、そして、十一皿目のデザートで満了となりました。「熟鮓の飯によるアイス」(写真⑮)です。これは日本のチーズケーキです。発酵から生じた酸味がヨーグルトのような感覚で、今までいただいた一皿一皿を忘れさせない良いデザートでした。以上、十一皿で8400円コースの料理紹介をさせていただきました。本当に、感動と感謝の一日を体験できました。日本酒と発酵食品が苦手な方には無理でしょうが、ここに料理と地産地消の原点があると思います。日帰りでのランチコースで可能だとわかりましたので、京都の吉田屋料理店さんと共に、これから通いたいと思います。
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写真⑭ |
写真⑮ |
前回、書かせていただきましたが、私は湖西市に合併する前の新居町生れ育ちで、現在も暮らしております。子供の頃から浜名湖と遠州灘と三河湾の魚介類を食べ、養鰻全盛時の鰻を食べ、三河の味噌・醤油・酢・味醂・ソースを使い、塩化ナトリウムに変えられる前の浜塩を味わい、育てていただきまた。蕎麦もうどんも、きしめんも食べられます。関所の建物が現存する町に生まれ育ったことにより東西両方の味付け・調理方法が理解できると自負しております。このサイト内で、豊橋から静岡までの飲食店・食材店・生産者たちが紹介されていきます。浜松の駅周辺にも新しい店舗がオープンされていきます。私の二つのお願いは、一年365日、安定供給が期待できないからという理由で「地産地消」に協力できない側にならないで下さい。もう死語かもしれませんが、その時々の「旬の食材」で楽しめばよいのではないでしょうか。もう一つは、食された上での好き嫌いは仕方がないのですが、関西系のお出汁・味噌・薄口醤油・みりんの使い方、調理方法等を最初から避けないで下さい。食の楽しみは、金額ではなく広がっていけると信じます。お疲れさまでございました。