「ちりとてちん」?
実は落語の演目です。三味線の音色から取られた“微妙な”食材(?)「ちりとてちん」。
噺家の目から見た“食”の話題を取り上げてもらいます。さて、どんな話が飛び出すのやら・・・

「何でだろう、なんでだろう」

 清八でございます。

 あっという間に、旧・正月も過ぎまして、2月の半ばになってしまいました。お正月の テレビ番組で連日連夜「何でだろう、なんでだろう」と笑いを振りまいていた二人組も、 一ヶ月も過ぎると、あの状況は一体「何だったろう」という程、露出度が減ってきました。 流行とは正にこういうことなんですね。でも、「ほかに感染例無し、で米、BSE調査打ち切り」に対しては、「何でだろう」を連呼してもいいのではないでしょうか。肉骨粉が飼料として適切でないと国際世論が高まれば、牛以外ならいいのだろうと、勝手に豚や羊や鶏の飼料に転換してしまう管理体制、病原体が発見されれば発病を防ぐため抗生物質を添付した飼料を与えるその場しのぎ、安い食材が欲しいんだから、何の文句があるんだと、言わんばかりの大量生産の国の商社・商人、「越後屋、そちも悪じゃのう」「いえいえ、お代官様ほどでは…」時代劇の世界だと思っていたら、正に現代劇の世界なんですね。

  三年前にニュージーランドに行った時、飛行機の遅れで半日潰れてしまいました。そのためか、他のツアー参加者たちはガイドツアーやオプションツアーをキャンセルされたんです。結果、私たち夫婦二人のみの参加となってしまったため、運転者と日本人ガイドと私たちだけという貸し切りツアーを体験できる形になりました。夜は、夜間動物園に行ったのですが、ディナー付でした。本来なら、バイキング形式だったのですが、他にお客の予約が入っていないという事で定食に変更されました。しかし、しかしですよ、メインの肉は牛2枚、鹿2枚、ラム2枚のステーキ、スープがあって、ボール山盛りの温野菜、デザートはホールのケーキが3種類、しかも、これで足らなければ追加調理するという申し出、もちろん、丁重にお断りしました。肉が主食の方々は、こんな食生活なのかと、うんざりしたものでした。イギリスやアメリカ、オーストラリアでは、塩と胡椒のみの味付けですから、さらに考えてしまいます。

  お叱りを承知で書かせていただきますと、連日連夜、マスコミではチェーン店の牛丼のカウントダウンを報道しておりますが、「アホちゃうか」ですよ。先ず、最初にクローズすると報道したチェーン店ですが、国内初のBSE発生の時に、いち早く国内産をぼろくそに言って米産に切り替えた会社です。こうしたリスクは予測されていたはずなのに、被害者になろうとしています。マスコミも全国から「牛丼」が消えてしまうような報道をしていますね。これも「何でだろう」の一つではないでしょうか。国内のBSE発生以来、食品にもICタグを付けて、産地・履歴を明確にできるようなシステム化が進められています。旬も季節感も無くなって、必要となれば地球の裏側からでも取り寄せている時代ですから必要だとは思いますが、本末転倒のような気もします。生産者にしても商社にしても、輸出入業者にしても検査機関にしても、「やるべきことをやる」という姿勢が無かったら、事後処理のための科学技術は何の役にも立たないと思うからです。

 逆効果になってしまう危惧のためか、岐阜県内の飛騨牛の報道がされていません。国内産BSE騒動の時、まったく問題なく価格も安価であったためか、今回、商社や大都市の業者に大量に買い占められ、地元で価格が高騰、品揃えが薄くなってしまったため、旅館・ホテル・レストランで提供できなくなっているのです。私の30年来の友人が飛騨萩原町 で21年前からユースゲストハウス「赤かぶ」という青年民宿を営んでいるのですが、ここの名物料理が飛騨牛のしゃぶしゃぶなのですよ。ところが、この影響で提供できなくなり、現在、飛騨豚を使った豚しゃぶに切り替えています。先日、食べてきたのですが、この「飛騨けんとん」しゃぶしゃぶに最適の肉でした。こんな書き方をすると、この豚肉も買い占められてしまうと困りますので、ここまでとします。

 ご興味のある方は、ホームページをご覧下さい。
http://www.akakabu-wa.com/

2004.2.11


38年間、お付き合いしている長野市戸隠の森の喫茶店です。


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