「ちりとてちん」?
実は落語の演目です。三味線の音色から取られた“微妙な”食材(?)「ちりとてちん」。
噺家の目から見た“食”の話題を取り上げてもらいます。さて、どんな話が飛び出すのやら・・・

 

「2024年、アフターコロナのエトセトラを報告?します 7月篇」

 

 清八でございます。毎月、「食」に関する書籍・漫画・DVDなど、主に中古品を探しては買い求め、読んだり、観たりして学習しております。それでは、7月分を報告させていただきます。白馬村での食レポもあります。

 

■辻勲著「日本の味と文化」サンケイ出版 (1982.10.20) 中古本

辻学園日本調理師専門学校の創立者であり、専門調理師の養成から食品づくりまで研究指導、多くの料理書を世に出された氏が、北海道から沖縄までの料亭、レストラン、料亭、割烹などを紹介されながら、「世界の食文化」「日本の食文化」を綴られた名著でした。当時の定価は8,500円、恐れ多くて立ち読みも出来ませんでした。当時の各お店の献立や料理写真は古くなく、その存在と美味しさを伝えていただけました。

 84~87頁の「日本料亭人脈系統図」は、老舗といわれる名店が、どのように世襲又はのれん分けで継がれてきたのかがわかる貴重な資料でした。

 71~72頁の「なぜフランス料理」というエッセイには、宮中晩餐会の料理は、何故、フランス料理なのか?氏のご意見が書かれておりました。「…さらに明治維新の中心勢力が薩摩、長州の下級武士であったことも、大きな要因ではないかと私は思う。つまり下級武士は、金と時間をたっぷりつぎ込んで固有の伝統文化を身につける余裕はなかった。無教養、無文化のまま京・大阪から江戸へ攻め上り、新政権の主人公におさまったのである。極端にいえば、彼らにとっては食べるものなどどうでもよかった。激動の時代を切り抜けるエネルギーさえ吸収できればいい。何百年も手間ひまかけて育んできた味の文化など、およそ縁のない生活だった。だから公式の場での食文化を、いとも簡単に西洋風に切り換えることができたのだろう。‥‥東京では一流料亭の看板さえ掲げておれば、政府高官の庇護を受けることができた。味より看板である。これでは上方料理も堕落する。将来、もし宮中晩餐会で、日本料理が用意されるようなことがあれば、商人たちが身銭を切って育て上げてきた本物の上方料理を、ぜひ出してもらいたいと思う。」このお言葉には、スタンディングオベーションです。(画像①)

 


(画像①日本の味と文化)

 

■さとなお著「極楽おいしい二泊三日」文藝春秋 (2010.6.10) 中古本

さとなお氏のグルメ情報は、サイト内の「おいしい店リスト」で読んでいたのですが、この書籍は、文藝春秋の「クレア・トラベラー」という雑誌に連載されていた旅エッセイを大幅に加筆修正された単行本でした。まだ、note、Instagram、X(Twitter)が広がらない時代はHPからの情報収集でしたね。

 168~180頁は、秋田二泊三日で何を食べ、飲んだのか?1日目は12時から「佐藤養助」の稲庭うどん、17時から「酒盃」で地酒と地肴を堪能。2日目は7時から「支那そば伊藤」のラーメン、11時30分から「遊食さい賀」のきりたんぽ鍋、19時から「ちゃわん屋」のしょっつる鍋、または「比内鶏の國 炭火焼味の蔵」の焼鳥。3日目は角館まで足を延ばし11時から「角館そば」の蕎麦、または12時から「料亭東海林」で郷土料理をいただく、といったコースでした。日本全国ではなく、金沢、伊勢志摩、仙台、高知、札幌、広島・尾道、大阪、那覇、長崎、軽井沢、秋田、名古屋、福岡、京都、東京です。

 そうそう、秋田市の日本一の居酒屋「酒盃」さんへは、2016年10月8日一カ月前に予約して行ってきました。くわしくは、「ちりとてちん」バックナンバーNo.152をお読みいただきたいのですが、突出しの箱膳内の6品は「枝豆ピリ辛」「煮凝り」「にしんの燻製」「いちじく味噌田楽」「比内地鶏の燻製」「自家豆腐の味噌漬け」でした。春霞、雪の茅舎、高清水、鳥海山、どの日本酒も料理に合っておいしかったですよ。(画像②)

 


(画像②極楽おいしい二泊三日)

 

 

■水野葉子編著「オーガニックのはなし」星の環会 (2002.5.20) 中古本

 水野葉子さんは「特定非営利活動法人日本オーガニック検査員協会」の理事長さんで、国内でオーガニック検査技術指導とオーガニック食品の普及に努められております。

 38~41頁に「遺伝子組み換えのおはなし」が掲載されていました。「豆腐や納豆のパッケージに書かれている『遺伝子組み換え大豆は使用しておりません』という言葉を見かけたことがあるかもしれません。このような表示があるということは、遺伝子組み換え大豆が、ほかの商品には使われているかもしれないということです。‥‥ここで注意しなくてはならないのは、しょうゆと植物油(大豆油・ナタネ油・コーン油。綿実油)は、遺伝子組み換えの表示はしなくていいということです。‥製造する時に、遺伝子組み換え原料のタンパク質が分解して、できあがった製品からは遺伝子組み換えのタンパク質が確認されないからという理由だそうです。」私だけでしょうが、初めて知りました。41頁には、恐ろしいことが書かれていました。「…遺伝子組み換えがおそろしいのは、自然では絶対おこらないことをしてしまうことです。同じグループのものどおし(たとえば大豆だったら大豆どおしとか)ではなくて、まったくちがうものの遺伝子を組み入れてしまうのです。いろいろなじっけんがおこなわれていて、肴の遺伝子ょ組み入れたイチゴとか、イカの遺伝子を組み入れたジャガイモとか‥。自然に存在しえないものをつくりあげてしまうことによって、畑や畑にある草や生物や、いろいろなものに大きな影響をあたえてしまうのです。」(画像③)

 


(画像③オーガニックのはなし)

 

 

■佐藤節子・平泉幸子著「食中毒のない台所」 (1996.8.31) 中古本

 先ず、ハサップ(HACCP)という衛生管理基準は、アメリカと旧ソ連が宇宙飛行士による月面着陸を目指していた時代に、宇宙飛行士が任務の途中で食中毒を起こさないように安全な食事を準備するために、NASAが食品製造会社のピルズベリーカンパニーに食材料の調達から運搬、調理、保存に至るまでの一貫した衛生管理を依頼したことから始まったと書かれていました。私だけでしょうが、初めて知りました。

 100頁に「家庭料理で気を付けること」「弁当を買う時」に、ここ最近の食中毒に関連する内容がありました。「…生肉を切ったり、生肉からしみ出た汁がついたり、生魚をのせた後のまな板には、細菌が多く付着している。そのまな板をよく洗わないままに、次の料理に使用すると、二次汚染(交叉汚染)を生じ、食中毒の危険度は大変高くなる。同じことが、まな板以外の調理器具や容器についても言える。したがって、生肉、生魚に触れたものは、洗剤を溶かしたお湯でよく洗うことが大切である。もちろん、それらに触れた自分自身の手をよく洗うことは言うまでもない。‥最近、コンビニなどで弁当や総菜を購入する熟年市民が多くなった。レジでは、電子レンジにより加熱するかどうかを問われるが、すぐに食べる予定がない時は、加熱しない方がよい。加熱した場合の食品温度(ご飯・副食)は、一般に50~80°Cが得られるが、30分~1時間後には室温となり、危険ゾーンに入る。したがって、食べる直前に自分で加熱することが安全である。

 これらの内容は、1996年(平成8年)に書かれていたのです。(画像④)

 


(画像④食中毒のない台所)

 

 

■「暮しの手帖 31号」 (2024.7.25) 新刊本

 38~43頁は、オタフクソース「お好み焼課」のマイスターによる「広島お好み焼」のレシピと技の公開写真でした。最高の一枚を焼くための心得は?という質問に「…食べる人のことを想って作ることです。その人の好きな具を足したりして、喜んでもらえるお好み焼きを焼けたら、それが最高の一枚じゃないですか。お好み焼きを食べて、おいしいねって笑い合ってもらえたら、うれしいですね。」パチパチパチです。

 104頁の「暮らしのヒント集」からです。「暑いと、植物も夏バテしがちです。剪定して風通しをよくしたり、鉢植えを日陰に移したりして暑さ対策をしましょう。」本当にその通りですね。今朝も31度の庭で草刈りと剪定、またシャワーと着替えです。(画像⑤)

 

 


(画像⑤暮しの手帖)

 

 7月31日~8月1日で、久しぶりに登山してきました。といっても、長野県白馬村の八方ゲレンデ・ゴンドラ(標高777m)、リフトで八方池山荘(標高1,830m)(画像⑥)まで行き、第2ケルンまで歩き、雲で視界が悪くなったので戻っただけですが‥。(画像⑦)今回は予定を組むのが遅くなった為、ネットでホテルを探し、何と白馬駅の上にある「The Hakuba Station Room」を予約出来ました。シングルベット二つ、バス・トイレ付、テレビ無しという部屋で税込み12,000円でした。白馬駅とゲレンデの周辺は、スキーで通っていた頃のイメージが残っていて、食堂、蕎麦屋、レストラン、銭湯などは殆ど営業されていたので、素泊まりでも大丈夫でした。。

 


(画像⑥八方池山荘)

 


(画像⑦)

 

 31日のランチは、シャトルバスから降りてゴンドラ乗り場への途中にある「まえだ」さん(画像⑧)に入りました。ネット上では11時から19時営業となっていましたが、当分は11時から14時30分のランチ営業でした。白馬村といっても外気温は30度なので、冷たい「おろし蕎麦」(画像⑨)とビールをいただきました。下山後は駅まで戻り、チェックイン。荷物を置いて近くのAコープ白馬店で明日の朝食用のパンと牛乳を購入、ホテルの冷蔵庫にチェックインしました。部屋にバスタブは用意されていたのですが、徒歩6分位の所に「白馬温泉 みみずくの湯」があって、露天風呂まであったので、700円でリラックス出来ました。

 


(画像⑧まえだ)

 


(画像⑨おろし蕎麦)

 ホテルに戻る途中で18時になっていたので、駅の近くの「絵夢」という、お好み焼きと定食の店に入りました。店内は二つに分かれていて、右側が定食コーナー、左側が鉄板コーナーとなっていました。(画像⑩)お好み焼きが美味しいとSNSにあったので、「チーズミックス焼き」と「タンメン」と生ビールを頼みました。奥様は「味噌ラーメン」と生ビールでした。「チーズミックス焼き」は具材が運ばれてきた段階で「凄い量!」とびっくり、焼き上げたら径25センチ、厚さ2.5センチになっていました。(画像⑪)二人だから大丈夫と、たかをくくっていたら、しばらくして運ばれてきた麺が、「凄い量!」。この「タンメン」、丼の径が25センチ、普通のラーメン店の1.5倍、(画像⑫)奥様の「味噌ラーメン」も1.5倍相当でした。炭水化物セットと生ビールを完食、ホテルに戻って爆睡でした。結局、テレビは無くても全く問題は生じなかった?という結果になりました。

 

 


(画像⑩絵夢)

 


(画像⑪チーズミックス焼き)

 


(画像⑫タンメン)

 

 

 翌日8月1日は、部屋内での朝食後、9時にはチェックアウトしました。昨日、駅の案内板で見つけた「木流川散策路」(画像⑬)経由で、白馬ジャンプ競技場(画像⑭)を見学、地上約140メートルの高さにあるラージヒルのスタート地点まで(画像⑮)到達することが出来ました。その後、駅まで戻り近くの「そば処松庵(しょうあん)」さん(画像⑯)へ向かいました。到着したのが11時50分、すでに満席で30分待ちとの事でしたが「お相席なら‥」と15分ほどで入店できました。ここのお蕎麦は九割蕎麦との事。さっそく「天ざる大」(画像⑰)を頼んで、ビールと共にいただきました。

 

 


(画像⑬木流川散策路)

 


(画像⑭白馬ジャンプ競技場)


(画像⑮ラージヒルのスタート地点)


(画像⑯そば処松庵)


(画像⑰天ざる大)

 

 もう15年以上ご無沙汰ですが、春・夏・秋・冬と通っていた戸隠の蕎麦でした。懐かしかったです。ランチ後は駅南側の大出公園(画像⑱)を巡り、駅に戻ったので14時20分。15時16分の「あずさ46号」に乗車、帰路につきました。久しぶりの山での30度、朝晩の26度、ありがたかったです。

 


(画像⑱大出公園)

 

2024.8.21 清八



38年間、お付き合いしている長野市戸隠の森の喫茶店です。


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