「ちりとてちん」?
実は落語の演目です。三味線の音色から取られた“微妙な”食材(?)「ちりとてちん」。
噺家の目から見た“食”の話題を取り上げてもらいます。さて、どんな話が飛び出すのやら・・・

「ディープなタイペイ、その2」

 清八でございます。
台湾・タイペイ市での二日目、5月1日の朝になりました。時差が1時間(日本時間引く1時間)の為か、現地時間としては早めに起きてしまいました。今回のツアーの目玉として、現地のJTBデスクで予約しておいたのですが、一日でB級(失礼)グルメを食べて飲んで味わい尽くそうという市内散策に出かける予定にしたからです。9時にホテルを出発、清の時代(1783年)に建てられた資産家・林家の豪邸「林安泰古民家園」の見学に立ち寄りました。赤レンガの塀にぐるりと囲まれた福建省の四合院建築の建物は、もとの三分の一の規模になったということでしたが、それでもかなりの豪華さでした。建物の中央に本妻の部屋があって、左右に側室の部屋が並んで建てられているのですが、二号、三号、四号と中央から離れる程、豪華な家具が置かれていました。主人からいつ離縁されるのかわからないので、華美になっていったとの説明でした。

 このレトロ感あふれる民家見学の後、最初の食事です。まだ朝ですから、「魯肉飯(ルゥロウファン)」の小と「四神湯」です。豚バラ肉を醤油と砂糖で煮込んだ具をのせた丼で、大・中・小盛りがありました。ぜんぜん油っぽくなくおいしかったです。スープは、豚の小腸と四種の漢方薬が入っていました。ちょうど沖縄でつくられている「中身汁」です。この「中身」とは豚の中身(ホルモン)ですから。

 食後、散策しながら「タピオカ・ミルク」のお店に立ち寄ったのですが、まだ準備中だったため、「台湾ハンバーガー」を味見して、台湾大学のキャンパス内を見学させていただきました。

 この「台湾ハンバーガー」は、蒸しパンを割って、豚肉や煮野菜を挟んだものですが、脂身とろとろの白肉とさっぱりした赤みの赤肉があって、その割合を注文できるんです。お肉はピリ辛で付け合せのザーサイが何とも言えない食感で好みでした。

 さて、台湾大学ですが、昨年12月に京都大学内の食堂に入ることができたので、ガイドさんにお願いしたところ、台湾の大学内には食堂は設置されていないという返事でした。その理由を伺うと、大学の周辺の学生街にたくさんの飲食店があって、早くて、安い、旨いからという理由でしたが、海外からの留学生を含めて、たくさんの民族から入学されている為、食生活が異なるため、共通の食事を提供できないという理由が一番だそうです。例えば、完全なベジタリアンや豚肉が食べられない、牛肉が食べられない、チキンが食べられない、といった様々な食生活なんです。

 ここで、やっと準備中から開店の看板に代わったお店に戻り、「タピオカ・ミルク」を飲みました。ここのお店では、半製品のタピオカを購入しないで、生のタピオカから煮込んでつくっているので、11時以降でないと店頭には出せないという良心的なポリシーのお店なのでした。続きましては、擂茶体験です。これは、お茶を挽いて抹茶のようにしてからピーナッツやゴマなどを加えて、さらに挽いて、最後にお湯を入れていただきます。これは、客家料理の一つとのことで貴重な経験ができました。

 もう、お腹がいっぱいになっている状態で、台湾大学の学生街でスウィーツのお店に行きました。「台一牛乳大王」での「かき氷」なのですが、紅豆、緑豆、はと麦、ピーナッツ、そして甘く煮付けられている「里芋」がトッピングされていたんです。

 台湾の夏は、非常に暑いのでサラリーマンには、このスウィーツが貴重なエネルギー源となるのやそうです。さすがに、量が多いため、ガイドさんにも協力していただいて完食しました。

 この後は、国府紀念館の衛兵交代式を見学して気を引き締め、次のスウィーツ「大根餅」をいただきました。そして、今回の記念にと、世界一のビジネスタワーTAIPEI101の展望台へ。このエレベーターと耐震装置は一見の価値があると思いました。気持ちも切り替わったところで、台湾ビール工場へ(どこが切り替わってんねん)、日本円で約200円の中生ビールで乾杯しました。

 以上が本日一日のB級グルメツアーだったのですが、ホテルへの途中、夜市(食べ物屋台村です)へ立ち寄っていただき、「台湾風春巻」「揚げせんべい」を購入、部屋でいただきました。もちろん、コンビニで台湾ビールを購入するのを忘れませんでした。台湾でもレジ袋は有料になっていて、ゴミを減らす取り組みが全国内で実施されていました。一日を本当に有効に過ごさせていただいたツアーでしたが、体力が無いと参加できませんので、くれぐれもご注意願います。それから、屋台での貝・牡蠣料理には注意して下さい。現地の方でも具合が悪くなることがあるとの事ですから。油で揚げた料理は、しばらくたつと油が変質しますので、その場で味わって下さい。今回のガイドさんも、食べ飲み、食べ飲みの繰り返しに心配してくれたようです。

 でも、面白い体験ですので、ぜひ、ご検討願います。

2007.6.5


38年間、お付き合いしている長野市戸隠の森の喫茶店です。


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