「ちりとてちん」?
実は落語の演目です。三味線の音色から取られた“微妙な”食材(?)「ちりとてちん」。
噺家の目から見た“食”の話題を取り上げてもらいます。さて、どんな話が飛び出すのやら・・・

「人に教えたくない店、その1」

 清八でございます。
暖冬や、暖冬や、言うてるうちに、大寒波襲来、「ディ・アフター・トゥモローの世界」になってしまったような今年の年越しです。これまで好き勝手な事を50回も書かせていただきましたが、殆どが、他県・外国の話で申し訳ありませんでした。以前にも書いたのですが、私は、毎日のように高級料亭や割烹、カウンターのみの高級店で飲食している身分ではあり ません。このコラムをお引き受けしてからもネタを探して特別 に出歩いているわけでもありません。しかしながら、今年はジャカルタ、コペンハーゲン、ソウルと三カ国も巡ってしまいましたし、地球博では10カ国のビールをいただいてしまいました。大阪にも京都にも、奈良にも奥飛騨にも、セントレアのレストラン巡りもしてしまいました。それで、こんな内容だったんですか、とクレームをつけられそうですが、私は浜松市民(合併の前でも後でも)ではありませんから、外に出てぐるりから客観的に感じたことを書かせていただいていると ご理解願います。

 えらい前置きが長い割りに落ちの無い話になってしまいました。グルメ雑誌に「人に教えたくない店」というコラムや特集記事がありますね。(CM風に言うと、やっぱ、教えてるじゃん、という販売促進記事なのですが)例えば、このソルトに掲載されている豊橋市のフラスカティさんもその一軒でした。長野県戸隠村(現在は、長野市です)の「パイプのけむり」は早い時期からリンクしてしまったのですが、実はまだまだありました。今回、ご紹介したいのは飛騨のワインショップ「坂本酒店」です。「別 冊ちりとてちん」に年二回掲載してきました拙宅での「わいわいワイン会」のワインを購入させていただいてきたので、その時点での購入ワイン名は公表してきました。ご興味のある方は、今からでもご覧下さい。今年の4月から高山市となったのですが、下呂市から約1時間走行してアルコピアスキー場交差点を右折すると正面 にあります。20年程前に、当時の舟山スキー場の別荘地内で「わいわいワイン会」があるからとお誘いを受けて、雪上車の送迎付きで参加させていただいたのがきっかけでした。元々、飛騨の地酒を扱っていた酒店だったのですが、ワイン、特にドイツワインに興味を持たれ、現地まで試飲に出掛けてしまったのが、商品及び購入ルートを拡大するきっかけだったそうです。その後、私がベルギービールにはまって紹介すると、またもやエアロフロート機でベルギーへ飛び、私が紹介したビールパブを踏破、新しいパブを紹介してくれました。結果 、白雪酒造よりも早く個人輸入でベルギービールとビアグラスを個人輸入、高山商圏での普及を図ってくれたのです。その後は、焼酎、泡盛と商品及び購入ルートを広げております。世間で騒いでいたボージョレ・ヌーヴォーのみでなく、ドイツ、イタリアのヌーヴォーも、毎年仕入れて普及活動をしております。(よ〜く考えなくても、ヌーヴォーは毎年、世界中で生まれているものなのです。しかも、イタリアのヌーヴォーはボージョレーより十日程早く来日しているはずなんです。)

 こんな坂本酒店さんが10月にホームページを立ち上げていました。何を今頃と、思われるかもしれませんが、この内容が濃いのです。例えば、「こだわり」の一部を紹介します。

 ワインのみならず、お酒に本気な店なら、店内に紫外線が入らないように遮光フィルムを 貼ったり、たとえ寒くても店内の温度を18度以下に設定したりしています。坂本酒店の地下セラーは、まさにワインに本気なのです。「外から見えるところにワインを置いたら、売る気力がなくなる」店長はいつもそう言います。よその店でワインが日光浴しているのを見ると、とても悲しそうな顔をします。…正直申し上げて、坂本酒店の話は長い。長い上に、嘘がつけないストレートな物言いには、時々毒も盛り込まれる。この長いトークに圧倒されて、来なくなったお客様は数知れず。このトークが気に入って、ファンになって下さるお客様は、もっともっと数知れません。

 私は、この嘘がつけないストレートな物言い、そして、興味を抱いたら即、現地に飛んで 行って、自分の舌で味わってから仕入れ、まだ国内で(やまとんちゅーで)紹介されていないお酒を提供してくれる、この坂本さんを全面 的に信頼してきました。拙宅で「わいわいワイン会」を続けているのも、ワインにイタリアンやフレンチ、ドイツ料理のみでなく、中華や和食、エスニックなどバリエーションを広げた肴を試したいという壮大な考え(そない大層な)もあっての事です。今年の「わいわいワイン会」に取り入れた、南大東島のラム酒は 初めて商品化されたもので高価でしたが、これまで味わったことのない感覚で、それはそれは見事なラム酒でした。こんな情報を提供していただけるのでクール宅急便で取り寄せているというわけです。もし、ご興味がありましたら覗いてみて下さい。

飛騨のワインショップ「坂本酒店」

2005.12.23


38年間、お付き合いしている長野市戸隠の森の喫茶店です。


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