「ちりとてちん」?
実は落語の演目です。三味線の音色から取られた“微妙な”食材(?)「ちりとてちん」。
噺家の目から見た“食”の話題を取り上げてもらいます。さて、どんな話が飛び出すのやら・・・

 

「2023年、アフターコロナのエトセトラを報告?します 12月篇」

 

 清八でございます。本年も、よろしくお付き合い願います。毎月、「食」に関する書籍・漫画・DVDなど、主に中古品を探しては買い求め、読んだり、観たりして学習しております。

 それでは、12月分を報告させていただきます。アフターコロナ?なので、いろいろ出かけておりますよ。

 

■「椎名誠 著 われは歌えどやぶれかぶれ」集英社文庫
(2021.11.25)中古本

 サンデー毎日の2016年8月14・21日号~2017年10月1日号に掲載され、2018年12月、集英社より刊行された単行本の文庫でした。

 71~75頁の「長崎・平戸の民宿の悲しすぎる朝食」では、全国各地で展開している釣りと焚き火キャンプを趣味とする集団が長崎・平戸の「割烹民宿」に現地集合、大宴会会場には大皿(厚紙製)の刺身盛りがいくつも並べられ、さすが「割烹」と満足した。早朝、雑魚釣り後に朝食会場に向かった。ご飯、味噌汁、カップに入ったチビ納豆、甘そうなゴマ豆腐、タクワン二キレ。焼いたばかりの小魚とか、なにかの魚卵系漬物も出てこなかった。それでも、昼食後に本格的に堤防で釣りを楽しんで、そこから30分くらい離れた町のコンビニ、ホカ弁屋に買い出しに出かけました。結果、「秘密発見!ホカ弁屋にゆうべ出てきておれたちが感動した大皿山盛りの刺し身とそっくり二千八百円で売っていた。」

 124~128頁の「いろんな国々のお正月を見た」では、世界中のあちこちで新年を迎えた椎名氏をして「一番心に残っているのがパタゴニアの新年だった」と書いていました。「…年越しには人々は教会に行ってみんなで賛美歌を歌いそれぞれ祈る。南米は『マリア様』が偶像だった。…新年へのカウントダウンがあり、いよいよ新しい年となるとそこらの近くにいる見知らぬ男女が抱き合っていいことになっていた。だからカウントダウンがはじまるといい女のところにじわじわ迫っていく男が可笑しくもなかなかスリリングだった。」(画像①)

 


(画像①われは歌えどやぶれかぶれ)

 

 

■「山本 博 著 わいわいワイン」柴田書店
(1997.5.20) 中古本

 コロナ禍でワインの輸送コストが上がったり、輸入量が減ったからなのか、定期的に価格が上昇しております。この初版発行時の1995年頃は「価格破壊」とか、それまで販売展開されてなかった国・地域からのワインが大量に入ってきてました。その為、この書籍の内容は、「もっと気軽にワインを愉しましょう」というガイドブックでした。

 38頁にもっとも基本的なことが書かれていました。「…(1)ワインの世界では、『安い』のが原則で、『高い』のは例外である。いうまでもなく、原則の方が、まずくて駄目だということになれば、ほとんどのワインはおいしくなくて、くだらない飲み物だということになってしまう。(2)『高い』ということと、味が『良い』とか、飲んで『楽しい』とかいうことは、全く別問題なのである。安いワインも高いワインも、基本的にはその味は共通しているのだ。高いワインが、どういう点で優れているのか、何が高級ワインたらしめているのだろうか?高いワインと安いワインとの違いは、端的にいってしまうとその『おいしさ』、『楽しさ』ではなく、その『複雑さ』、『精妙さ』、『洗練さ』なのである。」(画像②)

 


(画像②わいわいワイン)

 

 

 私は、1986年から2015年まで拙宅で「わいわいワイン会」を定期的に開催していました。(画像③)メンバーは、三回位は入れ替わっていました。この会は、元々、高山市久々野町の坂本酒店の店主が1983年頃から地元の婦人会や商工会、民宿、ペンション、旅館などでワインを普及させるために始められたと伺っております。ワイン、チーズ、パンなどの実費のみで、ワイングラスや資料を持参しての出張講座でした。ここの店長とジュニアは私のワインの先生なんです。現地で何回か参加させていただきノウハウを体験、三年後にワインとチーズと資料を送っていただき始めたのが1986年11月8日でした。ちなみに、この時のワインのみ書いておきます。

1984 Bodenheimer Burgweg Q.b.A.
1983 Oppenheimer Herrengarten Kabinett Du Patron Rose
1984 Trollmȁnnchen Burg Layer Q.b.A.
1983 Gundersheimer Hŏllenbrand Auslese
1985 Beaujolais

 


(画像③わいわいワイン会)

 

 

■「アンドプレミアム 2019年7月号」マガジンハウス
(2019.7.20) 中古本

 私が生まれて暮らしている湖西市には、合併前の新居図書館と中央図書館の二館があります。年二回ほど、リサイクル本無料配布の日があります。都合四回で各10冊まで持ち帰ることができます。この雑誌は、11月6日に新居図書館で入手してそのままになってました。この号の特集は「器と日々の生活」でした。99~114頁の「器の基礎知識」が面白かったです。「器の言葉辞典」の中に「呑水(とんすい)」という言葉がありました。「…鍋料理の取り分けや、天つゆなどを入れる際に使われる器で、縁の一部がすこし突出し持ち手の用途もかねた形状のもの。レンゲの一種。湯匙(たんし)を由来とし、その形が変化したという説も。」(画像④)

 


(画像④アンドプレミアム)

 

 

■「専門料理 2019年6月号」柴田書店
(2019.6.1) 中古本

 令和元年、コロナ禍前で、特集記事が「新時代の料理考」。古書店で見つけて興味を抱いて購入しました。

 12~27頁は、大阪西区江戸堀のフレンチ「HAJIME」の米田肇シェフと、東京ミッドタウン日比谷の日本料理「龍吟」の山本征治シェフへのインタビュー記事「料理界の未来のために今我々が取り組むべきこと」でした。米田シェフの言葉です。「…飲食業は、典型的な労働集約型産業—つまりは、人手に頼っている産業です。もちろん一部の作業を機械化したり、オペレーションを見直すことで効率化を図ることはできるでしょう。ですが、料理人の仕事はスポーツ選手と同じで、技術を体得するのに、ある一定の時間が必要。けっして一朝一夕に身につくものではありません。日本の社会は、すべて均一化させてしまう傾向がありますが、料理の仕事を一般企業のそれと同様に考えるのは、やはり無理があるように思います。」(画像⑤)

 


(画像⑤専門料理)

 

 

■「ポトフ 美食家と料理人」2023年フランス映画

 12月20日、ユナイテッドシネマ豊橋で観てきました。12時上映回で、観客12人。

 19世紀末、フランスの片田舎、静謐な森の中に佇むシャトーに暮らす美食家ドダンと彼がひらめいた料理レシピを完璧に再現できる女料理人ウージェニー。この二人が生み出す極上の料理は、うわさに噂を呼びユーラシア皇太子をもてなすことになる。しかし、ウージェニーは倒れ、急死してしまう。ドダンの美食レシピをつなげる料理人は、はたして現れるのか?というストーリーでした。100年前のフランス料理を再現するために、「厨房のピカソ」と讃えられているピエール・ガニェールを料理監修に迎え、化学反応を取り入れる前のフランス料理のすべてが描かれていました。調理師学校の生徒さん達、修業中の方々、この映画は教科書です。必ず、観て下さい。「グリーンピースのヴルーテ」「牡蠣のキャビアとミモザエッグ添え」「ポトフ」「ノルウェー風オムレツ」どれもこれも、叶うならば食したい一皿でした。(画像⑥⑦)

 


(画像⑥⑦ポトフ)

 

 12月11~12日で京都に行ってきました。約一年ぶりです。JR東海の「ずらし旅」を使って指定席の新幹線代のみ、ホテル宿泊代分が無料になるという割引でした。思いついた時は、最近オープンされた新しい飲食店を廻る予定だったのですが、出発の4日前に予約できたノンバーバル・シアターで「ギア」を観るために変更しました。

 三条で1928年に建てられた元・毎日新聞京都支局ビルを再構築して、「アートコンプレックス1928」として劇場化、インバウンド需要を見込んでの「ノンバーバル演劇」を2010年1月から公演しています。歴史的な建築物を有効活用して、セリフを使わない(言葉に頼らない)演出により、世代、国境を越えた演劇となっていました。2023年7月に公演回数4000回、9月に観客動員数29万人を超えて、なお継続中のエンターティンメントです。土・日・祝日の予約は三カ月先ですが、平日は予約可能の為、月曜日の観劇としました。出演者は、パントマイム、ブレイクダンス、ジャグリング、マジック、バトントワリングなどの世界トップクラスです。
「…荒廃した未来社会。人間型ロボット『ロボロイド』が働き続ける、忘れられた古い元おもちゃ工場。人間が去った今も働き続けるロボロイドたちの前に、かつてこの工場で作られていたおもちゃの人形『ドール』が現れる。ロボロイドは、異物に対する解析機能を通じて、ドールと触れ合い、ドールが持つ不思議な力により、思わぬ能力を発揮する。一方、ドールはロボロイドたちとの遊びと学びを通じて、少しずつ人間に近づいていく。そんな楽しい時間もつかの間、あることをきっかけに工場が大暴走を起こしてしまう。そして……」ラストシーンのドールの哀哭は、社会「再生」への第一歩と人間の可能性を考えさせられました。

 重複しますが、私が後日、この公演事務局宛てにメール送信したアンケート内容の一部を掲載させていただきます。「…今日は、連続11年、4000回達成の『ギア』を観に、京都市三条の専用劇場に来ました。圧巻のパフォーマンス90分でした。生徒さんの少ない小学校、中学校の修学旅行におすすめします。又、?の大阪万博より、こちらをおすすめします。バランスと調和、共生する社会、見事に表現しています。…1980年代に観ていた、赤テントや黒テントの時の、ワクワク感を感じました。最後に、ヒロインが上の段で、初めて声を出して泣くシーン、あれで最終までの仕込みが納得でした。素晴らしかったです。」

※クリスマス・プレゼントで、終演後の写真撮影タイムがありました。(画像⑧⑨⑩⑪)

 


(画像⑧⑨⑩⑪ギア)

 

 京都は、いつ行っても新しい出会いがあります。個人的には、東京・大阪よりも国内で初めてのイベントや飲食メニューを展開してくれる街だと思います。

 京都市内での食レポにします。当夜は、予約しておいた2022年10月21日オープンのワイン食堂「季の八」に伺いました。今回のホテルは、京都駅八条口にした為、京都駅前第八ビル二階、というこのお店にしたのです。フレンチシェフとバーテンダー、そしてパティシエの三人で始められたお店でした。この日、いただいたのは「前菜盛合せ4種」(画像⑫)「カルパッチョ」(画像⑬)「本日のレアカツ」(画像⑭)「洋風おでん」(画像⑮)と、赤ボトルワインでした。駅から近いので、また伺おうとおもいます。別件情報です。パティシエの鈴木里奈さん(画像⑯)は、湖西市のご出身です。カウンターでお話していてわかりました。(個人情報は、ホームページに掲載されているので書きました。)

 


(画像⑫前菜盛合せ4種)


(画像⑬カルパッチョ)


(画像⑭本日のレアカツ)


(画像⑮洋風おでん)


(画像⑯湖西市のご出身)

 

 昨年12月から「喜六家清八こと山口識行」としてnoteに登録、50年位前からの落語との関わり合いを投稿していきます。

 

 

2024.1.17 清八



38年間、お付き合いしている長野市戸隠の森の喫茶店です。


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