清八でございます。
さて、5月2日です。コペンハーゲン市内の博物館・美術館・イベント会場巡りを予定していたのですが、1694年に完成したローゼンボー離宮に入った途端、スコールのような雨が降り出し、チケット売り場の隣のお土産コーナーで雨宿りとなってしまいました。この離宮は、オランダ・ルネッサンス様式の建物で、歴代の王様たちが所有した数々の品が展示されているのですが、特に地下室には王室の宝物館があり黄金の王冠が展示されていました。雨がなかなかあがらない為、近くのMagasinという大きなデパートに飛び込みました。
このデパートはスカンジナビア初、最大規模の老舗デパートです。さっそく、地下の食料品売り場へ行くと、ビール・ウォッカ・ワイン、肉・魚・野菜・チーズ、パスタ・ライス・ジャム・香辛料・缶詰など、当然といえば当然なのですが、フロアー一杯に整然と置かれていたのです。私は、外国に行ってもデパ地下大好き人間ですので、このフロアーに1時間は滞在していました。これまで書かなかったのですが、デンマークの国土はグリーンランドを除くと日本の九州くらいで、人口550万人ですからデパートでも小売店舗でもスタッフが非常に少ないのですよ。外国人向けのお土産店以外では、ウインドショッピングしていて、声をかけられることはありません。
人口が少ないと言えば、当然、比例して公務員・議員の定数が少ないです。当初から「小さな政府」であり「小さな行政」なのです。これまで視察に行かれた日本の政府要人・国会議員・県会議員の方々からの報告書では目にした事がなかったのですが、デンマークでは議員は「名誉職」であり、その為、報酬は非常に少ない事が現地で判りました。公用車も秘書もありません。出身地で大げさなイベントやパーティも無く、あっても「言葉」だけのご祝儀でいいんです。ですから、金銭授受に繋がるような贈収賄もありません。そんな条件でも手を挙げる候補者は後を絶たないのだそうです。この議員さんに対しての国民のお返しは、レストランや劇場で同じ料金での「いい席」に案内してくれるだけです。(余計なトリビアですんません)
今日のランチは、旅行前から楽しみにしていたCafe R(カフェ・アール)に行きました。市庁舎前広場から続く歩行者専用道路(この道路が参考になって、日本では曜日限定の歩行者天国が生まれたんだそうです。このコペンハーゲンでは通年で歩行者専用道路です。歩行者専用といっても平均して10mの道幅はありました。)約1.2kmのほぼ中央に位置するアマートゥ広場にあるこのお店の両隣が、あのロイヤル・コペンハーゲン、ジョージ・ジェンセン、ホメルゴーの本店なのですよ。ですから、このお店で使っている食器はロイヤル・コペンハーゲン、グラスはホメルゴー、ナイフ・フォーク・スプーンはジョージ・ジェンセンなのです。
このカフェでは、初日にご報告した北欧料理の「スモーガスボード」をきれいに盛り付けて1プレートで提供してくれます。例えば、にしん、サーモン、ローストビーフ、生ハム、チーズ、レッドオニオン、甘エビなど。ライ麦60%のパンには充分合いますが、発泡ワインやビールの肴としては最適な料理だと思います。一つ、変わったメニューがありました。「わさびビーンズ・サーモン」です。スモークサーモンのケイパーの代わりに、わさびビーンズを使った一皿なんです。まずくはなかったですが、違和感はありました。ご家庭で簡単にできますから、酒の肴にいかがですか。「スモーガスボード」は、現在開催中の「愛・地球博」会場内の北欧協同館で提供されています。先日の17万人入場時にも空いていましたので、ぜひ、ご試食して下さい。このカフェは、場所・料金・雰囲気とも超お勧めなのですが、お連れになる方によっては、両隣の各本店から出てこなくなってしまう危険性が十二分にありますので、お気をつけ下さいませ。
一応、安全パイとして、ご紹介しておきます。このカフェ・アールの向かい側にはCafe Europaがあって、こちらはコーヒー、カプチーノ、カフェラテが楽しめます。いくら本場とはいえ、カプチーノを量で注文するシステムは初めてでした。このグラスの大きさなら確かにカフェで2時間過ごす事になるんだろうな、と理解できました。ランチ後は、やはりこの広場に集中しているグッチ、エルメス、シャネルなどのブティックをウインド・ショッピングしながら、1642年に完成、ヨーロッパ最古の天文台として使われていたラウンドタワー登りました。高さは36mなんですが螺旋状のスロープが209mあるんです。
疲れ果ててホテルに帰着、昨日と同様に昼寝後にチボリ公園内のレストランへディナーに出かけました。昨夜とは別のレストランにしようと巡ったのが大間違い、デンマーク語のメニューや案内文がまったく理解できず、疲れ果てて、結局、イタリアン・レストランでムール貝と手長海老のスパゲティとビールで締めとしました。おやすみなさい。(次回は、スウェーデンのマルメ篇です)
2005.7.5
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