「ちりとてちん」?
実は落語の演目です。三味線の音色から取られた“微妙な”食材(?)「ちりとてちん」。
噺家の目から見た“食”の話題を取り上げてもらいます。さて、どんな話が飛び出すのやら・・・

「2023年、コロナ自粛中のエトセトラを報告?します 5月篇」

 

 清八でございます。遅くなりました。毎月、「食」に関する書籍・漫画・DVDなど、主に中古品を探しては買い求め、読んだり、観たりして学習しております。

それでは、5月分を報告させていただきます。外出先での学習報告も加えました。

 

■「暮しの手帖 第2世紀 50,51」暮しの手帖社
(1977.10.1 1977.12.1)中古本

 浜松市内の古書店で見つけて購入出来ました。「ちりとてちん」No.25に書かせていただきましたが、私が高校二年生の頃から継続して読んでいる唯一の愛読書が「暮しの手帖」なのです。今回、見つけた第2世紀の50号と51号なんですが、定期購読を開始した時のバックナンバーです。私の蔵書リストには登録されているのですが 何処を探しても家の中から見つけられませんでした。やっと、手に取ることが出来ました。ちなみに、これらの号を含めて、1977年10月からのバックナンバーは、全て 所蔵しております。

 読みだしたきっかけは、町の図書館で見た時、大阪・ロイヤルホテルの「家庭料理」のレシピと出来上がり写真、吉兆・ご主人のエッセイに興味を持ち、町内やお隣りの浜松・豊橋市内でも食せない料理の「紙上体験」が出来たからです。40代頃から京都・大阪の料亭やレストランに一見で立ち寄れても違和感がなかったのは、たぶん「紙上体験」をたくさん続けてきたことによると、自分勝手に思い込んでおります。

 50号の52~65頁の「人生双六 東京から博多まで32時間29分の旅」は、東京を朝6時25分発の鈍行列車の旅、博多まで乗り継ぎ十本、社内で話し合った644名の中から、50名近くのインタビュー記事でした。50号の78~87頁、大阪・ロイヤルホテルの常原シェフによる「チキンのおいしい料理」は、胸肉を使った「ピカタ」「辛み焼き」「スタンレー」「チキンソテー」の作り方でした。46年前だから、牛肉、仔牛肉は入手出来ない所も多かったのでしょうね。51号の58~69頁、 大阪ロイヤルホテルのパーティ料理からで、「えびとカクテルソース」「スモークサーモンのアスパラガス巻き」「きすのエスカベーシュ」「あじのサフラン煮」「野菜のグレック」「コキールサラダ」「パパイヤとえび・メロンと生ハム」「ビーフシチュウの煮こごり」「スタッフドエッグ」「コールドミート盛り合わせ」「チキンサラダ」「ペアとチーズとプルーンのサラダ」「フルーツサラダとオレンジシャーベット」「マロンシャンテリーのモンブランふう」。これらの料理は、作ったことはありませんが、仕事の関係でホテルでの立食パーティやテープカット後のオードブル料理 を手配しなければならなかった時に大いに役に立ちました。

 それから、51号の50~57頁掲載の「京のおぞよ」は、京都の御池通りを堺町通り少し下がったところで、2008まで営業されていた「おぞよ」(大阪でいう、おばんざい)のランチ店「木津川」の先代のおかみ、西村良栄さんの一週間分の献立紹介でした。1984年に出版された「京都 木津川のおひるご飯」は、入手困難になっているようなので、この一週間のレシピは永久保存の資料になると思いました。(画像①、②)

 


(画像① 暮しの手帖)

 


(画像②暮しの手帖)

 

 

■「和田傳著 村の調査報告 名町長の町」翼賛図書刊行会
(1942.7.15発行)中古本

 以前に書きましたが、私は合併前の湖西市新居町生まれで、今でも暮らしております。戸籍年齢69 歳です。落語、演劇、映画、料理関係の古書・古レコード店散策と蒐集を51 年程続けております。ネットの時代になって、一番良かったのは、他県の古本屋・古レコード店に実際に行けなくても、在庫や金額、状態がわかり、取り寄せることが可能になったことです。

 一昨年3月からお手伝いさせていただいている、町内にある元・芸妓置屋「小松楼まちづくり交流館」の関係で、子供の頃の資料や記憶を参考に、新居関所周辺も含めて来館者へのご案内内容を整理しております。今回のこの古書は、秋田市の古書店にありました。大正12 年から昭和16 年頃までの新居町内の生活記録でした。13~23 頁に「台所改善」が掲載されていました。これは、昭和 2年に町内で60 名の腸チフス患者を出していて、その予防や防疫に新居町主婦会が活動した内容でした。当時の町長が主婦会の幹部と大工の棟梁が研究協議をして、標本台所を作り、「台所改善運動」として主婦会が展開された記録です。

「調理臺 臺のひろさは二尺に三尺ぐらいを適当とし、下に引出をつけ、さらにその下に開き戸をつけ、その戸の裏には包丁杓子などの挿し場を取り付けること。」「移動式食卓 一般家庭では普通の座式食卓でよいが、農家や使用人の多い家庭では、腰掛式食卓をよしとする。食卓の脚には車輪を取付け、移動に便ならしめ、下部は種々の入れ場に工夫すること。」「竈 舊式を廃し新式竈に築き直す。煉瓦で築くこと。」「七輪臺 竈の傍等にコンクリまたは煉瓦でつくり、下部は火消壺の入場とするやう工夫する。」 このような細かく設定されて、各家庭に改善指導されたようです。「竈」を新式竈とは、それまでの土を練って藁などを加えた粘土で作られていたのを「断熱煉瓦」を使いなさい、という内容だと思います。子供の頃、実家には大きな竃があったので理解できました。(画像③)

 

 


(画像③名町長の町)

 

 

 さて、アフター・コロナ?移行、外出してのお勉強の機会も増えてきました。

 5月4日は、四年ぶりに「とよはしアートフェスティバル」を見に行きました。4日、5日と19 組のアーティストによる「大道芸in とよはし」でした。豊橋まちなか図書館前の「まちなか広場」も会場の一つでした。円形の野外ステージで周辺に、音響・照明ポールが設置されていて、その円形の外周にキッチンカーが停められるようになっているんです。(画像④)

 


(画像④大道芸inとよはし)

 

 

 中央で大道芸、ぐるりを観客!トイレや手洗いは、図書館内にあるし、まさか、こんな非日常の空間になるとは、本当に素晴らしい設計だと感心しました。駅の交番前での「大駱駝艦」による金粉ショー、当初より衣装が大きくなっているけど、交番前ですよ。(画像⑤)

 

 


(画像⑤金粉ショー)

 

 この日の大道芸スケジュールの間に、図書館内で「豊橋まちなか未来ビジョン」中間版の報告を拝聴させていただきました。昨年3 月30 日に組成された「産学官金民」による「豊橋まちなか未来会議」が30 年後の豊橋駅前整備の取り組み作業をされてきた中間報告でした。この協議会には、市長、市議会議員、県会議員、国会議員達が加わっておりません。又、30 年間に市長、議員が何人変わろうとも、市民側が作成したビジョンは変えさせない方針!との事です。ご興味がありましたら、「豊橋まちなか未来ビジョン」で検索してみて下さい。

 このビジョンの一つに「農と食がつながるまち」づくりがありました。私も発言させていただいたのですが「まちなかでも、安全安心で豊かな食へのアクセスができ、健康かつ社会や環境にやさしい暮らしが実践できるまち」「まちなかで暮らしていても、農業や食べ物に関わる機会がたくさんあり、暮らしに食の魅力があふれ、地域の農産物をしっかりと消費しているまち」「食や農に関わる人やハブとなり、農を活かした産業・企業や、新たな食文化を発信するお店が生まれるまち場が密接し、歩いて暮らしや楽しみが満喫できるまち」。私には、これらのビジョン、非常にインタレスティングでした。時間をつくって、豊橋に通い、どう実現していくのか見届けようと思いました。(画像⑥、⑦)

 

 


(画像⑥豊橋まちなか未来ビジョン)

 


(画像⑦豊橋まちなか未来ビジョン)

 

 

 5月18日、気仙沼市の「ふるさと納税お返し」として、「こだわりのあきちゃん牡蠣」が届きました。大粒で22個ありました。納税1万円は、昨年9月、5月末に届けられる予定でした。私は、戸籍年齢69歳、浜名湖の牡蠣を子どもの頃から食しておりますが、この牡蠣は別格です。東日本大震災の後、嫁ぎ先の養殖牡蠣が年々縮小していくのが寂しいと、お嫁さんが始められた養殖牡蠣でした。唐桑湾で採苗からの養殖にこだわり、昔ながらの「天日干し」で海藻などの付着物を除去、均等に栄養が行きわたるように、ひとつずつばらして成長させるなど、丁寧なお仕事をされている結果 だと理解出来ます。一昨年、このネーミングと養殖の内容に興味を持って取り寄せてみたところ、昨年の5月末に届けられた21個、均等な大粒で、本当に美味しかったです。それで、毎年、「ふるさと納税」しようと決めました。今回の22個は、生牡蠣、焼き牡蠣、牡蠣フライ、牡蠣グラタン、三日間で完食しました。一年に一度の贅沢祭りにします。(画像⑧、⑨)

 


(画像⑧⑨ふるさと納税)

 

 

 5月21日は、豊橋まちなか図書館での月例企画「対談 館長がいま会いたいひと」の聴講に出かけました。14時からなので、ランチは豊橋駅前で探しました。日曜営業している老舗の大衆食堂「一福食堂」さんにしました。酒の肴もたくさんあり、昼呑み可能なのですが、一般的に「かつ丼と豚汁」セット、税込み890円にしました。ご飯は300グラムはあったので、大盛りにしなくて大正解でした。豚汁は八丁味噌でしたが、かつ丼が甘口なので、なかなかの組み合わせでした。(画像⑩、⑪)

 


(画像⑩⑪一福食堂)

 

 館長の対談のお相手は、「渥美フーズ」の渡会社長さんでした。店舗からのゴミを減らすために、四年前から量売りのための対面売り場を設け、お客様にマイ容器を持参していただく取り組みを始めたが、意識づけのため、様々な取り組みをしてきた。量売り用の保存容器の管理は、湿気の多い日本ではクリヤーしなければならないお店側の大きな負担になるそうです。食品廃棄物の削減として、食べられる残飯は、田原市の二ノ谷農園の放牧豚の餌に活用、「福豚」として店頭で販売している。さらに、スーパー側では、少し傷んだ野菜を選別する経費は出ないと考え、廃業倉庫を借りて生ごみの堆肥化に取り組み、その堆肥の利用のために六千坪の自社畑を展開、この畑で育成された野菜も店頭に並んでいる。堆肥化の過程で発生する虫の駆除の為に飼った鶏が生んだ卵も店頭販売化、付加価値のあるフードサービスを展開されている。量売りの推進は、採算割れ?しても推進されるとの強い意志を感じました。 私は子どもの頃、実家のお隣が酒屋さんで、醤油・ソース・味醂・お酒など、瓶を持ってのお手伝い経験がありますので、明日から「量売りシステム」に移行しても実行出来ると思います。(画像⑫、⑬)

 


(画像⑫館長の対談)

 


(画像⑬)

 

 

 5月28日は、私が湖西市新居町内のお寺で41年間継続開催している地域寄席・第 96回本果寺寄席「第四回瀧川鯉丸の会」を無事、開催させていただきました。アフター・コロナ?への移行、自粛緩和で集客イベントが復活、土・日曜日は重なるようになった事もあってか、お客様は43名でした。当日の演目は、私・喜六家清八「代書屋」、瀧川鯉丸「狸の恩返し」「明烏」「お菊の皿」の三席でございました。この会への来演者は44人、延べ328席の噺を聴いていただきました。前回までで違う噺が208席、高座にかけられました。もう、三年前以前の噺は解禁なのですが、さすがにプロでした。「狸の恩返し」は、209席目、当会で初めての噺でした。(画像⑭、⑮)




(画像⑭⑮瀧川鯉丸の会)

 

 今回は、もう一つあります。5月30日は、「浜松三ツ星」の月例会に参加出来ました。豊川市の新東工業㈱の福利厚生施設として七年前に建てられた「新東クラブ」の施設見学と、料理長・田村泰宏シェフによる豪華ランチを食させていただきました。 施設内には、ピザ釜あり、バーベキュー台あり、ガーデンパーティも出来、地元自治会さんにも開放されているそうです。今回、食させていただいたお部屋は、ゲストルームで、貸し切りの食事会、宴会、海外からの取引先とのパーティも出来るようになっているとのことでした。ランチと言っても、想像以上のボリューム、食材、調理内容に大満足でした。雨天でなかったら、名鉄で行って、ワインをいただいたのですが、これは仕方ありませんでした。 これからの人材集めと離職離れ対策として、福利厚生施設を充実させるという会社は静岡県内で多々あり、前の勤務先で遠州地区の大企業さんの福利厚生施設は殆ど見学させていただきましたが、愛知県内では初めてでした。ありがとうございました。(画像⑯、⑰、⑱)

 


(画像⑯⑰⑱浜松三ツ星会)

 

2023.6.18 清八



38年間、お付き合いしている長野市戸隠の森の喫茶店です。


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